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サッカーのイングランド代表のギャレス・サウスゲイト監督(53)の辞任が16日、発表された。イングランドは14日にあった欧州選手権(ユーロ)決勝でスペインに2-1で敗れていた。
イングランドがユーロ決勝で負けたのは2大会連続だった。4年前の前回大会では、英ロンドンのウェンブリー・スタジアムでイタリアにPK戦の末に敗れた。
サウスゲイト監督は、サム・アラダイス前監督の後任として2016年にイングランド代表監督に就任。8年間で102試合を指揮し、61勝24分け17敗の成績だった。契約期間は今年末までだった。
辞任発表にあたってサウスゲイト監督は、「誇りいイングランド人として、イングランドのためにプレーし、イングランドの監督を務めることは、私の人生で最高の名誉だった」、「私にとって実に大事なことで、全力を尽くした」とコメント。
「けれども今は変化の時で、新たな章を開く時だ」とした。
イングランドのサッカー協会(FA)のマーク・ブリンガム最高経営責任者(CEO)は、後任選びは始まっており、「できるだけ早く新監督を決めたい」と述べた。
イングランド代表の次の試合は、9月7日のネーションズリーグのアイルランド戦。
BBCスポーツのダン・ローアン編集長は、FA関係者らが「選考の対象をイングランド人監督だけに限定する可能性は非常に低い」と述べているとした。
次期監督の候補には、イングランドのU-21(21歳以下)代表のリー・カーズリー監督、ニューカッスルのエディ・ハウ監督、ブライトンとチェルシーのグレアム・ポッター元監督、チェルシーとトッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ元監督、リヴァプールのユルゲン・クロップ元監督、独バイエルン・ミュンヘンのトーマス・トゥヘル元監督らの名前が取り沙汰されている。
W杯2大会連続でベスト8以上
サウスゲイト監督は、1966年ワールドカップ(W杯)でイングランド男子代表を優勝に導いたアルフ・ラムジー監督以降で初めて、イングランドを主要大会の決勝へと進出させた。
四つの主要大会でイングランド代表を率い、W杯は2018年が準決勝、2022年も準々決勝まで進めた。
しかし今夏、多くのサッカーファンから、サウスゲイト監督は才能ある攻撃的選手らの力を十分引き出せていないとの声が上がるなど、同監督はプレッシャーにさらされていた。
今年のユーロのグループステージ最終戦でスロヴェニアと0-0で引き分けた時には、プラスチックのカップを同監督に投げつけるサポーターもいた。
しかし、ユーロの決勝にチームを導いたことで、多くの人々の支持を取り戻した。
サウスゲイト監督は辞任にあたり、「(ユーロ開催地の)ドイツに連れて行ったチームは、わくわくするような若い才能だらけだ。誰もが夢見る優勝トロフィーを、彼らなら獲得できる」と述べた。
また、「私たちには世界最高のファンがいて、その応援は私にとってかけがえのないものだった。私はイングランドのファンで、これからもずっとそうだ」として、「選手たちは今後も特別な思い出を作り続け、この国の人たちと結びついて感動させることができる。その様子をこれから自分が見て、祝うのが楽しみだ」、「ありがとう、イングランド。すべてに感謝している」と述べた。
選手らが称賛
イングランド代表とレアル・マドリードのMFジュード・ベリンガム選手は、サウスゲイト監督の下でプレーした時間を「素晴らしい感情のジェットコースターで、私たちの国に希望と喜びを吹き込んだ」とした。
そして、「あれほど献身的で情熱的な人に率いられたのは光栄だった。ギャレスは代表史上最高の監督の一人というだけでなく、信じられないほど素晴らしい人物だ」と付け加えた。
イングランド代表とアーセナルのMFデクラン・ライス選手は「ありがとう、ギャファー。あなたが率いたイングランド代表でプレーできたのは光栄だった」とコメント。イングランド代表とエヴァートンのGKジョーダン・ピックフォード選手も、自分のことを「いつも信じてくれた」と感謝を表明し、「次のステップでの成功を祈りたい」とした。
キア・スターマー首相もコメントし、サウスゲイト監督について、「この国が長い間求め続けてきた希望と信念を取り戻した人として、記憶され続ける」とたたえた。
サウスゲイト監督は現役選手時代の1995~2004年、イングランド代表DFとして57試合に出場した。指導者としては、イングランド代表には2013年からU21代表監督として関わってきた。
クラブチームの監督を務めたのは、2006~2009年のミドルズブラのみ。