2024年7月17日(水)

BBC News

2024年7月17日

タイの首都バンコクの高級ホテルのスイートルームで16日、6人の遺体が見つかった。状況などに不可解な点などがあるという。

遺体が発見されたのは、五つ星ホテルのグランド・ハイアット・エラワン・バンコク。

現地メディアは当初、同ホテルで発砲があったと報じたが、警察はこの報道を否定。銃が発砲された証拠はないとした。

捜査当局は毒殺の可能性について調べている。

現場を訪れたセター・タウィーシン首相は、死亡したのは男女3人ずつで、全員ヴェトナム国籍だと説明。アメリカとの二重国籍者もいるとした。

また、遺体は発見時で死後24時間が経過していたとみられるとし、検視が実施されるだろうと付け加えた。

そして、自殺ではなく他殺との見方を示し、警察が「動機を突き止めなくてはならない」とした。

飲み物に不審物

首都警察によると、同ホテルには被害者ら7人が宿泊の予約をしていた。だが、チェックインしたのは5人だけで、1人は行方不明になっているという。

また、死亡した1人はホテル側の記録とは一致しない人物だった。

現場となったスイートルームからは、15日午後2時前に飲み物の注文があった。残されていた飲み物からは、不審物と被害者らのDNAが検出された。

料理も注文されていたが、手つかずのままだったという。

死亡した宿泊客らは、15日にチェックアウトの予定だった。

それらの人たちは、ホテルの7階から5階へと移動。その後、同階にあるスイートルームのリビングルームとベッドルームで死んでいるのが、ハウスキーパーらによって発見された。

捜査当局によると、争いや強盗があった形跡は見つかっていない。唯一、1人の遺体に傷が見つかったが、倒れた時にできたものである可能性が高いという。

バスルームでは茶、エナジードリンク、ハチミツが、すべて容器が開いた状態で発見されたという。

被害者の2人はスイートルームのドアへと向かったが、たどり着けなかったとみられている。ドアは内側から施錠されていたとされる。

当局は捜査の一環として、被害者の荷物も調べる意向だ。

米国務省のマシュー・ミラー報道官は、「状況を注視している」と述べ、犠牲者の家族に哀悼の意を表明した。また、米政府として「支援を提供する用意がある」と付け加えた。

現場となったグランド・ハイアット・エラワン・バンコクは、人気の観光スポットに位置している。警官の1人は匿名で、被害者にはタイを初めて訪れた人もいたと話した。

タウィーシン首相は、この事件がタイのイメージや観光業に影響を与えてほしくないと述べた。観光業は同国経済の重要な柱だが、新型コロナウイルスのパンデミックから完全には回復していない。

タイは観光客を呼び戻そうと、ビザ(査証)なし入国を認める対象を93の国と地域に拡大したばかり。

(英語記事 Mystery surrounds deaths at Grand Hyatt hotel in Bangkok

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cx024z551zxo


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