2024年7月17日(水)

BBC News

2024年7月17日

パレスチナ自治区ガザ地区の南部と中部で16日、イスラエル軍による空爆が相次いだ。イスラム組織ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、少なくとも50人のパレスチナ人が殺され、数十人が負傷した。

ガザ南部では、ハンユニスの西側に位置し、最近人道地域に指定されたアルマワシで多数を死傷させた攻撃があった。

中部では、ヌセイラト難民キャンプで、家を追われた人々が避難していた、国連が運営する学校が爆撃を受けた。

イスラエル軍は、どちらの攻撃も、パレスチナの武装組織を狙ったものだと説明。民間人の犠牲について報告を精査しているとしている。

また、この9カ月間の攻撃で、ハマスの軍事部門幹部の半数を殺害したと主張。さらに、約1万4000人の「テロリスト」を殺害あるいは拘束したと述べた。

昨年10月のハマスによるイスラエル襲撃では、約1200人が殺され、251人が人質として連れ去られた。それを受け、イスラエル軍はガザ地区で軍事作戦を開始した。ハマスが運営する保健省によると、ガザ地区ではこれまで3万8710人以上が殺された。このデータでは民間人と戦闘員の区別がないが、4月末の時点で、子どもと女性、高齢者合わせて1万4680人の身元を特定しているという。

「人道地域」で攻撃相次ぐ

パレスチナの情報筋によると、アルマワシではアルアッタル通りのヨルダン戦場病院近くで、4人が乗っていた車が攻撃された。

この地域は、家を追われた人々のテントや市場などがあり、人々が密集していた。

ソーシャルメディアに投稿された動画には、男性らが遺体をトラックの荷台の上に移動したり、近くのナセル病院で負傷者が手当てを受けたりしている様子が映っていた。

イスラエル国防軍(IDF)は声明で、航空機が「ハンユニス西郊の(パレスチナの)イスラム聖戦の中隊長を攻撃した」と説明。「空爆の結果、数人の民間人が負傷したとの報告を調べている。詳細は精査中だ」と述べた。

IDFはアルマワシを、ガザの戦闘が活発な地域から逃れてきた人々のための人道区域に指定している。

イスラエルは同地域で13日にも、ハマスの軍事部門のトップを標的にし、数十人を殺した

狙われたモハメド・デイフ氏の安否は不明だが、イスラエルは別の上級司令官が殺害されたことを確認したとしている。

学校への攻撃、10日間で6回

ヌセイラト難民キャンプでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校をイスラエルが空爆した。

ガザ地区の保健省は、この攻撃で23人が殺されたと発表。現場の写真からは、建物への甚大な被害が見て取れる。

IDFは声明で、学校で活動し、ガザ地区内の部隊への攻撃を支持していた「テロリストら」を攻撃したと発表した。

また、「空爆に先立ち、民間人に危害を加えるリスクを軽減するため、空からの偵察、精密弾薬、追加情報の使用など、多くの措置を講じた」と付け加えた。

IDFは、ハマスが民間施設を悪用し、市民を人間の盾にしていると非難したが、ハマスはこれを否定している。

ガザ地区内の学校が攻撃されたのは、この10日間で6回目。国連は一連の攻撃を激しく非難している。

ヌセイラトではこの日の午後にも空爆で2人が殺害された。夜にはキャンプへの攻撃で4人が殺された。

IDFは16日午前、前日にガザ全域で約40カ所の「テロ標的」を攻撃したと発表した。

また、最南端のラファで続けられている地上作戦で、部隊が戦闘員を殺害し、トンネルへのシャフトを解体したと発表した。

一方、パレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)の軍事部門は同日、2週間ぶりにガザに近いイスラエル領内にロケット弾を発射した。ロケット弾はスデロトの町を直撃し、避難所に逃げ込もうとしていた1人が軽傷を負った。

(英語記事 50 reportedly killed in latest Israeli strikes in Gaza

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/clwy95yx82ro


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