地域と一体となった経営
地産地消ならぬ「地産地食」を掲げているのも特徴だ。約8割の食材は北海道産であり、肉は鶏・牛・豚いずれも100%道産。例えば年間175万食を売り上げる看板商品、チャイニーズチキンバーガーに使う鶏肉は伊達市産、レタスは北斗市産だ。冷凍物は一切使用せず、ハンバーグのミートパテも毎日手作り。産地から近く、食材の調達に便利な函館周辺に商圏を限定するからこそ、強みを発揮できる。
地域密着について王さんは語る。
「地域に根差し、地域を愛し、地域に育てられ、恩返しする気持ちが根底になければ、地域で繁盛する店をつくることはできない。小さな商圏では私の顔も、スタッフの顔も近所に知られています。私たちの言動や態度、生き方が地域の人々に見られている。生半可なことをしたらたちまち信頼を失います。逆に、地味なことをコツコツやり続けてきた姿を常に見守り、評価してくれるのも地域の人々なのです」
地域密着とは一時のブームではなく、時間をかけて少しずつ築き上げていくもの。それは「地域一体」と言うべきものだ。あなたの行う地域密着は、じつは大手の真似や追随になってはいないだろうか。
愛される商人とは頼れる隣人であり
賢い生活者であり誠実な人間である