2024年7月21日(日)

田部康喜のTV読本

2024年7月21日

 「まごころ」に運び込まれた元駐輪場の管理人・加地登(花王おさむ)の画像診断は硬膜下血種。「まごころ」院長の3代目・高峰啓介(柄本明)は外科医だが、老齢とアルコールの飲みすぎで手術ができず、病院の外科はままならなかった。患者の加地は専門の大学病院の手術が必要だが、大学病院も患者でふさがっていた。

曲者ぞろいのメンバー

 「まごころ」にその前にかつぎこまれていたのは、ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)。歌舞伎町でテキーラの飲み競争で勝ちはしたが、急性アルコール中毒でベッドに横たわっていた。

 加地の容態を聴いて「自分が手術をする」と申し出る。彼女は米陸軍の軍医だった。しかし、日本の医師資格がないので本来は日本での医療行為はできない。

 院長の高峰(柄本)は、緊急事態と判断してヨウコに手術をゆだねる。高峰がかつて使っていたドリルなどの旧式の医療機器で硬膜下出血の手術に成功する。ヨウコは他の手術でも麻酔がまだ完全に効いていない段階で手術を開始したり、縫合が丁寧でなかったりするが、戦場でも時間が勝負という状況のなかでの経験を生かしていく。

日本での医師免許のない中で医療行為を行うヨウコ(小池、左)と性別不明の看護師長・堀井(塚地、中央)、美容整形外科ながら外科手術に従事する亨(仲野、右)と曲者ぞろいだ

 ヨウコは英語と母の出身地だという岡山弁のちゃんぽんで会話をする。その英語の通訳をする性別不明の看護師長・堀井しのぶ(塚地武雄)、経営不振のまごころを改築して美容整形外科にすることをたくらむ高峰院長の弟の啓三(生瀬勝久)と、その息子で美容整形外科医師の亨(仲野太賀)ら、曲者ぞろいのメンバーがそろっている。

「命の価値は同じじゃあ」

 ヨウコ(小池)は、まごころの外科医として日本の資格はないものの院長の高峰の判断で、外科担当となる。

 ヨウコが来日したのは、戦場で死んだアラブ系の兵士から金属製の箱を託されて、歌舞伎町の弟のもとに届けるためだった。けが人として担ぎ込まれたアラブ系の人物の名前がその人物と似ていたことから、確かめるとアラブ系にはよくある名前で本人ではなかった。

 箱をあけてみれば、価値のあるものが入っていると思いきやクッキーだった。


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