2024年11月20日(水)

Wedge REPORT

2024年8月16日

 全国高校野球選手権大会が開催される『阪神甲子園球場』が2024年に開場100周年を迎えています。夏の甲子園では毎年高校生や指導者たちによる多くのドラマが紡がれてきました。

 また、今年は酷暑対策として、試合を午前と夕方に分けて行う2部制が開幕から3日間に限って導入されたことが話題になりましたが、これまでも新型コロナ対策や、戦時中に開催された“幻の大会”など、運営方法に関してもさまざまな議論を呼んできました。

 今回は、甲子園という舞台を通して高校野球のドラマを描いた人気記事5本を編集部が厳選してお届けします。

(beeboys/shutterstock)

<目次>

1:【3大会連続決勝進出】駒大苫小牧を常勝軍団に育て上げた香田監督 栄光と挫折の13年(2023年10月7日)

2:【1勝するのに3年半】下関国際を部員11名の無名校から準優勝に導いた熱血指導者(2022年8月23日)

3:<野球に命をかけた選手に名誉を>「最後まで死力を尽くせ」戦意高揚目的の大会を“幻”にするな(2022年8月16日)

4:【コロナ感染措置に涙をのんだ選手たち】競技や大会問わず部員たちが納得できる共通ルールの整備を(2022年8月10日)

5:【選手が倒れても「クーリングタイムに感謝」】猛暑下の甲子園 メディアが正面から問題提起しない理由(2023年8月11日)

1:【3大会連続決勝進出】駒大苫小牧を常勝軍団に育て上げた香田監督 栄光と挫折の13年(2023年10月7日)

駒大苫小牧が2004年に甲子園初優勝を果たし、ナインに胴上げされる香田誉士史監督(時事)

 慶應義塾高校が連覇を狙った仙台育英高校を下して107年ぶりに優勝を飾った第105回全国高校野球選手権大会。両校の見事な戦いを見て、書き残しておかなければと思った一冊がある。2004年から3年にわたり、優勝、優勝、準優勝と、夏の甲子園の主役として君臨した駒大苫小牧高校の栄光と挫折を克明に記録した『勝ちすぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇』(中村計著、2016年、集英社)だ。

駒苫は04年に史上初めて深紅の大優勝旗を北海道に持ち帰り、05年に史上6校目となる大会連覇を達成。さらに06年にもエース田中将大を擁して3大会連続決勝戦にまで勝ち進み、早稲田実業には引き分け再試合の末、敗れたものの準優勝に輝いた。だが、その栄光の裏側ではさまざまな不祥事が相次ぎ、自壊するように王国が崩壊していった――。

【続きはこちら】

高校野球に与えた駒大苫小牧・香田誉士史監督の教訓(2023年10月7日)

2:【1勝するのに3年半】下関国際を部員11名の無名校から準優勝に導いた熱血指導者(2022年8月23日)

(dwall817/gettyimages)

 球児たちの熱戦に幕が下ろされた。第104回全国高等学校野球選手権大会は8月22日に決勝戦を迎え、仙台育英(宮城)が下関国際(山口)を8―1で下し、初優勝を飾った。春夏通じて43度目の聖地出場を誇る古豪はこれまで一度も日本一に手が届かなかったが 7年ぶり3度目となる同大会決勝進出で悲願のVを達成。東北勢としても春夏合わせて初の全国制覇を成し遂げ、ついに深紅の大優勝旗が「白河の関越え」を果たすことになった。

 その一方、敗れた下関国際の面々も甲子園球場のスタンドから優勝校の仙台育英と遜色のない万雷の拍手が送られた。今大会では準々決勝で今春センバツ優勝校の絶対王者・大阪桐蔭(大阪)、同準優勝の近江(滋賀)と高校野球界屈指の強豪チームを次々と破り、これまで最高位だった2018年大会ベスト8の壁も突破した――。

【続きはこちら】

下関国際を甲子園準優勝に導いた坂原秀尚監督の情熱(2022年8月23日)

3:<野球に命をかけた選手に名誉を>「最後まで死力を尽くせ」戦意高揚目的の大会を“幻”にするな(2022年8月16日)

(Comstock/gettyimages)

 真夏の甲子園球場で繰り広げている第104回全国高校野球選手権大会。一昨年の第102回大会は新型コロナウイルスの感染拡大のため中止となり、やはり中止となった同年春の選抜大会の代表32校を招いた「交流大会」として1回戦のみの交流試合が行われた。

 昨年の第103回大会は、一般の観客を入れない異例の措置を取りながらも2年ぶりに大会を開催、球児たちは試合ができることの喜びを満喫した。今年は観客もスタンドに戻り、いつもの高校野球人気を取り戻した。

 今大会もコロナ感染者の選手入れ替えなど特異な大会運営が進められているが、80年前にも異例づくしの甲子園大会があった。1942(昭和17)年8月、戦争激化のため、大阪朝日新聞社主催の選手権大会は前年に続いて中止となったが、国民の戦意高揚を目的に、当時の文部省と、その外郭団体が主催し、全国の予選を勝ち抜いた16校が参加した「全国中等学校錬成野球大会」だ――。

【続きはこちら】

戦争、コロナ、犠牲となる選手… 「幻の甲子園」を読む(2022年8月16日)

4:【コロナ感染措置に涙をのんだ選手たち】競技や大会問わず部員たちが納得できる共通ルールの整備を(2022年8月10日)

(YUTAKA/アフロ)

 連日繰り広げられる球児たちの熱戦に感動を与えられている人は多いだろう。第104回全国高校野球選手権大会は8月6日から開幕し、夏の甲子園球場を舞台に49代表校の頂点を目指す戦いが始まった。 

 その中において大会4日目(8月10日)の第4試合は異質な形で注目を集めた。2年連続30度目出場の県立岐阜商業(岐阜)と2004年春4強の実績がありながら夏は大会初出場の社(兵庫)の1回戦である。

 県岐阜商は新型コロナウイルスの集団感染により登録メンバー18人中10人を入れ替え、初戦に臨んでいた。この日の先発メンバーで主力選手の出場はわずか4人だけで、そのうち3年生は2人。あとの5人は控え選手と急遽メンバー入りのため地元の岐阜から招集され、チーム合流から2日間しか練習していない1、2年生だった――。

【続きはこちら】

県立岐阜商業高校の甲子園での涙から学ぶべきこと(2022年8月10日)

5:【選手が倒れても「クーリングタイムに感謝」】猛暑下の甲子園 メディアが正面から問題提起しない理由(2023年8月11日)

(Tomwang112/rammy2rammy/gettyimages)

 全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)が、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催されている。今年も厳しい暑さの中での開催が続くが、雑誌や書籍を除いたほとんどのマスメディアでは炎天下でのプレーなどを危惧する記事は目にしない。主催の朝日新聞をはじめ、他のテレビもラジオも新聞にとっても、「夏の甲子園」は大きく扱う魅力的なコンテンツであることと決して無関係ではないだろう。

 朝日新聞をはじめ、新聞メディアは大会期間中、甲子園報道に多くの紙面を割く。そこに描かれた球児たちの青春は、胸が熱くなる記事も多い。

 そんな甲子園はこの夏、5回終了後に暑さ対策で10分間の「クーリングタイム」が実施され、選手の身体冷却や水分補給などにあてられるようになった。ベンチ裏のクーリングのためのスペースには送風機や体温を測定するサーモグラフィーが設置され、保冷剤なども備えられている。1日10~15人の理学療法士が対応にあたり、朝日新聞デジタルの記事によれば、報道陣にスペースが公開された5日は、選手をサポートする理学療法士3人が、実際に試合中に行う身体冷却の方法を実演したという――。

【続きはこちら】

猛暑下の甲子園 メディアが正面から問題提起しない理由(2023年8月11日)

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