2024年10月6日(日)

BBC News

2024年9月20日

ピーター・ホスキンス(ビジネス記者)、リヴ・マクマホン(テクノロジー記者)

任天堂と、パートナー企業の「ポケモン」は19日、人気サバイバルアドベンチャーゲーム「Palworld(パルワールド)」の開発会社を相手に、特許権侵害の差し止めなどを求めて訴訟を起こした。

パルワールドは2021年に発表され、すぐに「銃を持ったポケモン」というニックネームがついた。

今年1月に発売されると、直後にポケモンが、知的財産の侵害について調査すると表明した。

パルワールドを開発した「ポケットペア」は19日、訴えられたのを受けて声明を発表。「ご心配・ご迷惑」をかけているとしてファンに謝罪した。

同社トップはこれまで、パルワールドについて、法的なチェックをクリアしていると述べていた。

任天堂は、知的財産とブランドを熱心に保護することで知られている。

ポケモンは、ウェブサイトに公表した声明で、パルワールドが「複数の特許権を侵害している」と主張。今回の訴訟について、「侵害行為の差し止め及び損害賠償を求めるもの」だとした。

プレイヤーは発売1カ月で2500万人超

パルワールドは、発売から1カ月でプレイヤー数が2500万人を超える大ヒットとなっている。

ポケモンのビデオゲームの人気作と同様、このゲームも、さまざまな力をもつ奇妙な生き物を集めることが主な内容となっている。

ポケットペアは自社サイトで、パルワールドを「戦闘、捕獲、育成、そして拠点建築という様々な要素が融合しています」と説明している。

プレイヤーは「パルテイマー」と呼ばれ、人間の敵や、捕獲して味方にできる「パル」と呼ばれる生物と戦いながら、広いマップを旅する。

パルはプレイヤーと共に戦うことも、拠点で働いて物資やアイテムを作ることもできる。

ポケモンは1月、ファンからの指摘をもとに、同社のゲームをパルワールドがまねた疑いについて調査する予定だと発表。著作権の侵害が判明した場合は、適切な措置を取るとしていた。

一方、ポケットペアは19日、訴訟が提起されたのを受け、ポケモンの主張に対応するとした。

声明では、「現時点において、当社は訴状を受領しておらず、先方の主張や侵害したとする特許権の内容等について確認できておりません」とした。

任天堂の広報はBBCの取材に、「訴訟の内容に関連するトピックについてはコメントを控える」と述べた。

ゲーム業界アナリストのピアーズ・ハーディング・ロールズ氏は、任天堂について、「自社のIP(知的財産)を侵害したとみなす組織や個人を訴えてきた」と述べた。

そして、今回の提訴は「この傾向を引き継ぐ」ものだと指摘。任天堂にとってポケモンがいかに重要かを示しているとした。

「任天堂は、ポケモンとポケモンのフランチャイズを一部所有しており、一連のゲームは任天堂のゲーム機事業と切っても切れない関係にある」

ポケモンは今週、著作権を侵害したとして中国のゲーム開発数社を相手に1500万ドルの賠償金を求めた訴訟で、勝訴したと報じられた。

ポケットペアは声明で、「小規模なインディーゲーム開発会社」が「ゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かざるを得ない可能性がある状況は非常に残念です」とした。

そして、「ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしてまいります」と付け加えた。

(英語記事 Nintendo sues 'Pokémon with guns' video game firm

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0qz0vl0g41o


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