2024年11月21日(木)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年11月13日

漁獲量推移で比較すれば一目瞭然

 下のグラフは、漁獲量が多い富山県から西側(日本海系群A海域)でのズワイガニの漁獲量推移を表したグラフです。1960年代から70年代前半にかけて1万トン以上の水揚げがありました。しかしながら、現在ではその約4分の1以下と大きく減少しています。少し増えたといっても絶対量はそれほど多くはないのです。

 次に日本全体とノルウェーのズワイガニの漁獲量推移を比較したのが下のグラフです。青が日本でオレンジがノルウェーです。

  ここで特記しておくことがあります。それはもともとノルウェー海域にはズワイガニがいなかったのに、今では日本の何倍も獲れているということです。ノルウェーの沖合では、1996年に初めてカニの資源が確認されました。

 その後ノルウェーは、15年も以上待って、2012年からようやく獲り始めました。資源の持続性を考えて漁獲しているので、年を追うごとに資源量はどんどん増加して行きました。漁獲量は24年には1万トンを超え、25年にはさらに増えて1万2000トンの漁獲量が見込まれています。

 かつてゼロだったノルウェーは1万トンを超えているのに、昔からズワイガニを獲っていた日本はその4分の1以下の漁獲しかない。これが、資源管理が進むノルウェーとの差なのです。

 我が国は北海道でせっかく沸いた小さな貴重な大ズワイガニ資源を漁獲しています。カニに限らず貴重な資源が増えたら増えたで数年で獲り切ってしまい、獲れなくなって後悔しても後の祭りです。


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