2025年12月5日(金)

オトナの教養 週末の一冊

2025年2月8日

味と経済成長

味の世界史 香辛料から砂糖、 うま味調味料まで
玉木俊明
SBクリエイティブ
1045円(税込) 

『味の世界史 香辛料から砂糖、 うま味調味料まで』玉木俊明、SBクリエイティブ、1045円(税込) 

 大航海時代に主役の貿易品だった東南アジア産の香辛料。長らくアジア商人を経由してヨーロッパにもたらされてきたが、自国船で直接輸入するようになるとヨーロッパ経済は大きく発展した。砂糖の需要が高まった16世紀頃には、ヨーロッパはブラジルでサトウキビのプランテーションを始め、西アフリカから黒人奴隷が送られた。ヨーロッパの経済成長は多くの犠牲の上に成り立っていたのだ。人々は豊かな「味」を求めて冒険し、戦い、発展してきたことがよくわかる。

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Wedge 2025年2月号より
災害大国を生きる 積み残された日本の宿題
災害大国を生きる 積み残された日本の宿題

「こういう運命だったと思うしかない」輪島市町野町に住んでいた小池宏さん(70歳)は小誌の取材にこう答えた。1月の地震で自宅は全壊。9月の豪雨災害時は自宅周辺一帯が湖のようになったという。能登半島地震から1年。現地では今もなお、土砂崩れによって山肌が見えたままの箇所があったほか、瓦礫で塞がれた道路や倒壊した家屋も多数残っていた。日本は今年で発災から30年を迎える阪神・淡路大震災や東日本大震災など、これまで幾多の自然災害を経験し、様々な教訓を得てきた。にもかかわらず、被災地では「繰り返される光景」がある。能登の現在地を記録するとともに、本格的な人口減少時代を迎える中、災害大国・日本の震災復興に必要な視点、改善すべき方向性を提示したい。


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