味と経済成長
『味の世界史 香辛料から砂糖、 うま味調味料まで』玉木俊明、SBクリエイティブ、1045円(税込)
大航海時代に主役の貿易品だった東南アジア産の香辛料。長らくアジア商人を経由してヨーロッパにもたらされてきたが、自国船で直接輸入するようになるとヨーロッパ経済は大きく発展した。砂糖の需要が高まった16世紀頃には、ヨーロッパはブラジルでサトウキビのプランテーションを始め、西アフリカから黒人奴隷が送られた。ヨーロッパの経済成長は多くの犠牲の上に成り立っていたのだ。人々は豊かな「味」を求めて冒険し、戦い、発展してきたことがよくわかる。
