2025年3月22日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年3月18日

 イタリアのメローニ首相がもう1人のプレーヤーである。この3人がウクライナと協力して和平の計画を作り、その上で米国と議論することになる。ゼレンスキーが排除されている訳ではない。

 ウクライナの安全の保証に関するトランプとの議論は、欧州が主導することになろう。スターマーの側近は、「米国の軍事的後ろ楯は依然必要である」「米国が経済的な利害関係を持てばそれだけ次に何が起きるかの関心は大きくなるが、軍事的後ろ楯の代替にはならない」と言っている。

 スターマー、マクロン、メローニは3人とも、欧州は自身の防衛により多くのことをする必要があるが、ウクライナの平和への道筋は究極的にはホワイトハウスを通じるしかないことを明確にしている。

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動き出した欧州の危機感

 2月28日、ウクライナの戦争を巡るトランプ・ゼレンスキー会談は思わぬ形で決裂したが、この事態を受けて、3月2日、ロンドンでスターマーが主宰した欧州の主要な指導者による会談(ゼレンスキーも参加した)において、善後策が話し合われた。この記事はその要点を書いたものであるが、欧州はゼレンスキーのために介入することを決定した。

 会談決裂の際の状況を見れば、ゼレンスキーのトランプとの関係修復は不可能ではないにしても、著しく困難と予想され、欧州が介入を決定したことは賢明な判断と言うべきであろう。具体的には、スターマーとマクロン、それにメローニ辺りがゼレンスキーと協議して停戦計画を策定し、その上でトランプと協議する道筋を想定している。

 スターマーの記者会見における説明から明らかなように、それはウクライナの主権と安全を守り、破られることのない力に担保された永続する停戦でなければならない。そのために、欧州は力仕事をせねばならず、「有志国」で停戦監視ミッションのための地上部隊を派遣する――英国は地上部隊と航空機を投入する用意がある。


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