2025年3月22日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年3月18日

 しかし、これが成功するためには、抑止と信頼性が必要であり、そのためには米国による軍事的な後ろ楯を必要とする。これが、ゼレンスキーが強く要求する安全の保証の問題であるが、この問題は欧州の安全の問題でもあり、欧州がトランプを説得出来るかが一つの鍵となる。

欧州が見つめるべき現実

 トランプ政権の協力を必要とするのが現実だとすれば、トランプによる停戦に向けたイニシアチブは、如何に苦々しいものであるにせよ、欧州としては、停戦計画についてトランプ政権と協議を進めるに当たっては、これを尊重する姿勢を示さざるを得ない。ゼレンスキーは、ウクライナの鉱物資源に関する合意文書に署名する必要がある。

 この記事の末段にあるように、「ウクライナの平和への道筋は究極的にはホワイトハウスを通じるしかない」と心得る必要がある。特に、ウクライナそして欧州の安全の保証としての米国の後ろ楯は重要なのである。

 他方、欧州は予期せざることから、ウクライナと欧州の意向を顧みず頭越しにロシアと取引するトランプ政権の勝手な行動に掣肘を加える機会を得たのかも知れない。欧州は対ウクライナ支援を強化し、防衛予算を拡大し、あるいはウクライナの停戦監視ミッションの規模拡大を図り、命運を賭していることをトランプ政権に印象付けるべく努力すべきであろう。

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