学校の偏差値が低くとも構わない。日本の学校教育は多くの教科の総合点で競わせているが、平均点の高い人や常識がありすぎる人は限界を突破できない。ビジネスの現場で稼ぐ人は何か突出したものがある。会社は本来、こういう人を雇うべきだ。
私の2人の息子も中学校の頃から様々な学校をドロップアウトした。親に似ているのかな(苦笑)。
小さい頃から、それぞれがある分野には抜きん出るものがあった。長男は今、ウェブ系の会社を経営し、社員が50人になっている。次男はゲームのクリエーションや、アーキテクチャに長けている。大企業から大きなプロジェクトを依頼されたり、海外で講演もしている。2人とも10代から好きなことをしてきて、業界で少しは知られた存在になった。文科省が求めるような「優秀な学生」だったら、今のように自分で稼いでいくようにはなれなかっただろうね。
─お子さんたちには、どのような教育をされていたのですか。
我が家では、息子がよくゲームをしていた。そこで「ゲームなんかしないで、宿題を」とは言わない。むしろ「宿題なんかしないで、ゲームをしろ」と言う。ゲームのほうが、頭をはるかに使う。イマジネーションも必要だ。これらの力は社会に出たら、すぐに使うもの。
うちの息子は中学校もドロップアウトしかけて名誉卒業だ(苦笑)。コンピューターばかりやっていたからね。それでも難関の南カリフォルニア大学のIT学部に受かったからね。でも、そこも中退しちゃった。
─親は子どもが内定を得ることができないと嘆いています。
今なお親も学校も就職人気ランキングや内定率に一喜一憂しているね。生保などはランキングの上位に位置するけど、間違いなくいずれ破たんする。日本人の寿命が延びているのに、昔の頃のライフテーブルでビジネスをしているから、今は「死差益」で多少儲かっているだけのこと。
メガバンクは国策でつぶさないね。国内では金融庁の言いなりでなんとかなるが、運用する力や企業を評価して抵当なしで貸す力など全くない。これじゃ海外では通用しない。国に生かされている、飼い殺しにされている業界に憧れる、なんて気持ち悪くないのかね。
有名大学を卒業し、ランキング上位の会社に入る学生は、真っ先に失業する。手に職もなく、失業後は苦労するだろう。世界の荒海を泳いでいかなくてはいけない21世紀経済の中では決して優秀ではない。このような学生たちを集めて満足しているから、日本の大企業はダメになる。