台湾を防衛しない言い訳にしようとしているのではないかとの穿った見方をする向きも増えているらしい。もしコルビーがこれを知って発言したとすれば、確かに不信感を強めても止むを得ないし、もしも知らないで発言していたとすれば、余りに無責任である。
韓国の核兵器保有への動き
新たな安全保障の枠組みを考えるにあたって日韓と欧州を分かつのは、この記事も指摘するように自前の核兵器の有無である。もちろん持っていればよいというものではなく、仮想敵に対する抑止に十分かどうか、換言すればモスクワか北京かを攻撃できる残存能力があるかどうかが鍵であり、専門家によれば、フランスは自国領防衛が目的であり、英国は、その使用に対する米国からの制約が大きく実際は使用不可ということらしい。
現在英国では何度目かになる防衛戦略の包括的見直しが行われ、この点がどう扱われるかは一つの注目点だろう。一方、韓国では世論の70%以上が核兵器保有を支持していると言うが、実際には韓国の核兵器保有に対しては中国の強い反対が予想され、次期政権を担うであろう革新系は中国からの圧力に弱いことから見ても核保有は簡単ではないだろう。
韓国が核兵器国化すれば日本も核兵器国化へ進む可能性が出てくるが、そうでない限り難しかろう。結果、米国の核兵器を日本国内に置き、使用に一定の権限を持つような検討の重要性は増す。
これらの点全てを、新たな国家戦略策定の過程で議論してはどうか。待った無しの課題である。
