米国の税収の見込みは、1000億ドル(15兆円)。関税の影響は車種により異なるが、コンサルは車種別の値上がり予想も出している。
車の値段はどれだけ上がるのか
米国の自動車情報資料Kelly Blue Bookによると、今年2月の米国での自動車の実勢販売価格は平均4万8039ドル(720万円)だった。EVの価格は少し高く5万5273ドル(830万円)だ。三菱ミラージュだけが実勢価格で2万ドル(300万円)を切っていた。
平均販売価格がもっとも低いのは三菱自動車の3万410ドル(450万円)。次いで日産の 3万2262ドル(480万円)だ。
関税により値上がりするが、額は車により異なる。米コンサル・アンダーソンエコノミックグループが車種別の値上がり予想を発表している。
米国内で生産され米国製部品が多いホンダ・シビックなどの小型車は、2500ドルから4500ドル。トヨタ・トラック、ジープなどが5000ドルから8000ドル。キャデラック・エスカレードなどは1万から1万2000ドル。
輸入車では欧州製の小型車で8000ドルから1万ドル。レクサスなどの高級車で2万ドル以上。
米国の消費者が新車購入をためらうほどの金額だが、影響は米国産車に加えドイツブランドの高級車を購入する日本の消費者にも及ぶ。
日本でも値上がりする車が
日本の自動車会社には日本からの輸出に加えメキシコ、カナダ工場からの米国向け輸出を行っている企業も多く、関税は利益に大きく影響する。加えて、米国車、ドイツメーカーの高級SUVを購入する日本の消費者も影響を受ける。米国製自動車だけでなく、米国で生産され日本に輸出される一部のドイツブランドの高級車も値上がりする可能性が高いからだ。
メルセデス・ベンツは、GLE/GLSを米アラバマ州の工場で生産している。エンジンとトランスミッションは欧州から輸入している。米国製部品の比率は35%から40%と言われている。
BMWも大型SUV・X5を米サウスカロライナ州で生産している。米国製部品の比率は32%だ。関税によるコスト上昇額は8000ドル(120万円)とされる。メーカーがすべてを吸収することは難しいので、価格に転嫁せざるを得ないだろう。
株が下がり、車の値段は上がる。消費者には泣きっ面に蜂のトランプ関税だが、大混乱を引き起こしながら本当にこのまま実行されるのだろうか。まだまだ紆余曲折がありそうだ。