2025年12月5日(金)

WEDGE REPORT

2025年4月10日

 現在、検察は上告する意向だが、最高裁が大統領選挙前に判決を出す可能性は小さい。この事件以外にも4つの刑事裁判を抱える李在明氏に対する司法府の態度は、「やっているふりをしているだけ」と批判されている。

トランプは金正恩の方へ?

 最後に、李在明氏が無事に大統領に就任したとしても、待ち受けているのは荒波での航海だ。国内政治ではこれまでどおり保守との対立姿勢を崩さないだろうが、外交・防衛では現実的な政策をとらざるを得ないだろう。

 氏は、22年の大統領選挙で、防衛政策について、「朝鮮半島の平和は韓国が主導すべきであり、そのためには自主的な国防力の強化が不可欠」としつつ、在韓米軍については、「在韓米軍は現時点では朝鮮半島の安定に寄与しているが、将来的には韓国の防衛力強化に応じて、その役割の再調整が必要になる可能性がある」と、自律的な防衛力整備と将来的な米韓同盟の再定義を訴えていた。

 1期目で米韓自由貿易協定(FTA)の破棄や在韓米軍の削減に言及していたトランプ大統領は、現在のところ韓国政策に言及していないが、金正恩氏との個人的な友好関係を全面に押し出しているトランプ氏との関係構築は容易ではない。

 最右翼に位置する李在明氏が上告審で有罪判決を受けるのか、はたまた司法府の忖度でそのまま大統領の座を手にするのか、韓国情勢から目が離せない。

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