センター返しは、投手のボールスピードを一瞬ゼロにして、バットの力だけで運ぶことになるが、ライト、レフト方向への打球は投球のスピードを一部残存させ、それにバットの力を加えることになる。ちょこっと当てただだけなのに、ライトスタンドに入ってしまうのは、投球のスピードをうまく使っている極めて科学的な打法ともいえる。
バレンティンが2ストライクを取られた後、アウトコースの球をノーステップでミートしただけなのに、ライトスタンドに運んでしまうのは、こうした理由が背景にある。
今年活躍する選手はだれか?
バレンティンは、日本の野球にも慣れ、年々進化してきた。昨年暮れ、妻への暴力で世間の批判を浴び、調整が遅れているが、暖かくなれば調子を戻すだろう。今年は出塁率の高さを買われ、3番に上がる。立ち上がりの投手を一気に砕こうという狙いなのであろう。ヤクルト浮上のカギを握るだけに注目したい。
バレンティン以外の選手としては、阿部の活躍も期待できる。ただ、巨人は投手陣に不安があり、そこに神経をすり減らすことになると阿部は苦しむことになるだろう。村田修一が安定感を発揮し、注目のドラフト1位ルーキー小林誠司をいつ出場させるか、原辰徳監督の手腕も見どころだ。
パ・リーグでは、図2に名前が挙がっている長谷川、浅村栄斗(西武ライオンズ)の活躍は楽しみだ。首位打者、最多安打の2冠に輝いた長谷川、打点王、最多二塁打の浅村は、ホームラン打者のブランコ並の得点能力への貢献度が高い。この2人からは目を離せないことになるだろう。
【参考】
XR 計算式:0.5×単打+0.72×二塁打+1.04×三塁打+1.44×本塁打+0.34×(四球+死球-故意四球)+0.25×故意四球+0.18×盗塁-0.32×盗塁死-0.09×(打数-安打-三振)-0.098×三振-0.37×併殺打+0.37×犠飛+0.04×犠打
wOBA 計算式:{0.72×(四球‐故意四球)+0.75×死球+0.90×単打+0.92×失策出塁+1.24×二塁打+1.56×三塁打+1.95×本塁打}÷(打席‐(故意四球+犠打+犠飛))
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