2025年5月23日(金)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年5月7日

 北朝鮮と長年対峙してきた韓国軍は世界5位の軍事力を誇り、「K防産」と称する武器輸出も世界シェア4位を目指して猛進している。韓国軍機関紙「国防日報」のヘッドラインとともにトピックスをお伝えすることで、日本では報じられることが少ない韓国軍の政策や動きをウォッチする。

複雑な米韓演習・訓練の体系

 韓国軍と在韓米軍は3月10日から同20日まで朝鮮半島有事を想定した定例の演習「フリーダム・シールド=自由の盾」を行った。4月17日から5月2日まで空軍主体の大規模な空中訓練「フリーダム・フラッグ=自由の旗」が行われた。フリーダム・フラッグは米韓空軍が毎年2回ずつ実施していた「連合編隊群総合訓練(KFT)」と「ヴィジェラント・ディフェンス」を統合したもので、昨年から年2回実施されている。

朝鮮半島有事を想定した米韓の軍事演習( SOPA Images /gettyimages)

 これら米韓演習や訓練については日本メディアも報じるため、聞いたことがある方も多いだろう。日本ではseminarの訳語に演習をあてているため、exerciseを軍事演習と訳しているが、軍事分野では単に演習と表現する。

 また、訓練は手順などを演練して部隊と個人の技量向上を目的としているのに対して、演習は訓練の集大成であり、シナリオを基にした幕僚活動や野外機動などを行って計画の修正を目的としており、両者は明確に使い分けられている。さらに言うと、日本では「共同演習」「合同演習」など様々に冠づけされているが、韓国では2国間以上で行うことを「連合」、韓国軍の軍種が共にすることを「合同」と表現している。

 話を戻すと、米韓演習は国際情勢や米韓の政治状況によって変遷してきた。大規模な連合演習は76年から93年まで行われていた「チームスピリット」に遡る。同演習は94年の米朝枠組み合意で中断したが、その後も北朝鮮が核開発をやめなかったため、名称や形態を変えて継続している。


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