2025年6月16日(月)

田部康喜のTV読本

2025年6月7日

 「あなたを奪ったその日から」(関西テレビ制作、フジテレビ系列・月曜よる10時)は、北川景子が本格派女優として、成長を遂げるかどうかの試金石となる作品である。

(「あなたを奪ったその日から」ホームページより)

 ドラマは、甲殻アレルギーの娘を総菜店で買ったピザに混入していたエビによって失った中越紘海(北川景子)が、この事故によって店をたたんだ社長の結城旭(大森南明)が新たに立ち上げたスーパーの社員となって、復讐を誓う物語である。

買ったピザにエビが混入していたことにより、娘を失う(「あなたを奪ったその日から」ホームページより)

 さらに、結城家を軽自動車で監視していた紘海が、たまたまかくれんぼごっこをして車に入ってきた結城の3歳になる娘・萌子を誘拐するような形で、自分の娘・美海(みみ、一色香澄)として13歳の中学生まで育てて同居している。

 美海の戸籍を作るために、旭(大森)と離婚した実の母親・木戸江身子(きど・えみこ、鶴田真由)が務める、スナックに客を装って訪れ、戸籍作りに必要なDNA鑑定の試料を取ったり、幼い美海が「ママ」と呼んでいたのを「お母さん」と変えさせたりした。

 旭(大森)が経営していた総菜店「YUKIデリ」は、この事件によって倒産する。しかし、警察の捜査によっても、エビがピザに混入した経路が分からずに刑事事件としては不起訴になった。

 彼はその後、元妻・江身子の父・雅人が経営する「タイナス」に入社して、新規のスーパー部門を常務として立ち上げていく。その1年後に娘の萌子が失踪したのだった。

 警察の捜査によって、萌子は水辺で遊んでいて転落して死体はあがらない、という結論になる。それでも、旭は生存を諦めてはいない。学生時代の友人の望月耕輔(筒井道隆)を執行役員に迎えて事実上、萌子の捜索に当たらせている。


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