2025年12月5日(金)

終わらない戦争・前編沖縄

2025年6月26日

富坂 琉球士族の一部は清国に渡り、琉球国の回復を訴え、中には、〝抗議の自殺〟をした人もいた。

岡本  まさに。ところが、日本政府は1879年に廃藩置県を行い、首里城を接収し、琉球藩廃止と沖縄県を設置する「琉球処分」を行った。

 当時の日本としても切羽詰まった状況にあったことが理解できるものの、それ以降、中国にとって日本は「在来の秩序を壊す存在」になり、日中関係は急速に悪化した。琉球処分について、中国は一貫して認めないまま日清戦争になり、うやむやのまま現在に至っている。

中国による沖縄工作は
活発化しているのか?

──日本では近年、沖縄への影響力行使を懸念する報道もある。これをどう考えればいいのか。

富坂 日本の一部メディアには、「中国が沖縄を取り込もうとしている」「沖縄独立論を支援している」といった報道が見られる。

※こちらの記事の全文は「終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち戦後80年特別企画・前編」で見ることができます。

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Wedge 2025年7月号より
終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち
終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち

かつて、日本は米国、中国と二正面で事を構え、破滅の道へと突き進んだ。 世界では今もなお、「終わらない戦争」が続き、戦間期を彷彿とさせるような不穏な雰囲気や空気感が漂い始めている。あの日本の悲劇はなぜ起こったのか、平時から繰り返し検証し、その教訓を胸に刻み込む必要がある。 だが、多くの日本人は、初等中等教育で修学旅行での平和学習の経験はあっても、「近現代史」を体系的に学ぶ機会は限られている。 かのウィンストン・チャーチルは「過去をさかのぼればさかのぼるほど、遠くの未来が見えるものだ」(『チャーチル名言録』扶桑社、中西輝政監修・監訳)と述べたが、今こそ、現代の諸問題と地続きの「歴史」に学び、この国の未来のあり方を描くことが必要だ。 そこで、小誌では、今号より2号連続で戦後80年特別企画を特集する。前編では、戦後日本の歪みを一身に背負わされてきた「沖縄」をめぐる諸問題を取り上げる。


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