富坂 琉球士族の一部は清国に渡り、琉球国の回復を訴え、中には、〝抗議の自殺〟をした人もいた。
岡本 まさに。ところが、日本政府は1879年に廃藩置県を行い、首里城を接収し、琉球藩廃止と沖縄県を設置する「琉球処分」を行った。
当時の日本としても切羽詰まった状況にあったことが理解できるものの、それ以降、中国にとって日本は「在来の秩序を壊す存在」になり、日中関係は急速に悪化した。琉球処分について、中国は一貫して認めないまま日清戦争になり、うやむやのまま現在に至っている。
中国による沖縄工作は
活発化しているのか?
──日本では近年、沖縄への影響力行使を懸念する報道もある。これをどう考えればいいのか。
富坂 日本の一部メディアには、「中国が沖縄を取り込もうとしている」「沖縄独立論を支援している」といった報道が見られる。
※こちらの記事の全文は「終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち戦後80年特別企画・前編」で見ることができます。
