脇役にも注目
このドラマの魅力は、コメディアンヌの綾瀬はるかを取り巻く俳優たちもまた、巧みな演技の持ち主だからである。鳴海(綾瀬)の同僚である那須田(佐野)は、ドラマ『トリイオンゲーム』(TBS、23年)で、天才起業家の目黒蓮を支えるプログラマーにして、経営者となる演技で注目された。
孤独死した、鳴海の伯母・光子の若い時代を演じた、山口紗弥加は深夜帯で復讐劇の妖しい女の役をきっかけにして、ゴールデン帯に起用されてきた。晩年を演じている、稲川実代子は脇役として筆者が好きな女優のひとりである。映画『川の底からこんにちは』(石井裕也監督、2010年)をはじめ、「石井組」ともいえる。
鳴海の義妹・まゆ役の恒松祐里は、Netflix配信の『全裸監督』season2でセクシー女優のヒロインを演じた。映画『きさらぎ駅』(永江二朗監督、2022年)では、異世界に列車で移動してしまう女性役。続編の『きさらぎ駅 Re:』が6月中旬から公開されている。
お笑いの「白塗り」の芸子姿で登場する、コウメ太夫が鳴海の上司として素顔で登場するのも見ものである。
なお、第3回は7月12日放送である。