2025年12月5日(金)

Wedge REPORT

2025年8月7日

 台風、梅雨前線、秋雨前線などに起因して、毎年ほぼ同じ時期に豪雨災害が起きる。そして、林道は決まって被災する。

写真 1 林道周辺の土砂災害

 山側からの崩土によって路面が埋まり、路面流水が発生して路側から谷側へ流れ出し崩壊を誘発、路体が削り取られて通行不能になる。沢を横断する箇所では、橋梁の流失、暗渠(あんきょ、地下に埋設した水路)の閉塞による路面へのオーバーフロー、暗渠構造物の破壊などがあげられる。このように類似の被害が毎年繰り返されている。

 その度に災害報告を作成して、国有林の場合は写真査定、民有林では現地査定で災害復旧事業費を決定するのである。そして国有林では全額国費、民有林では補助金が交付され、災害復旧工事が発注されるのだ。

 しかし、このようにパターン化した災害が繰り返されるのだから、これに根本的に対応するための構造や施設を設計段階からもっと考慮すべきであった。これについては筆者にも責任があるのだが、当時は毎年の復旧事業に追われて、思いつきもしなかった。

 それにしても、五万とある被災事例や豊富な人材を抱えていた時点で、これを実現できなかったのは痛恨事である。今となっては人材不足で手遅れかも知れないが、ここで論及してみたい。


新着記事

»もっと見る