次の問題は、これだけ見出しを取って、物事を前に進めたように見えたとして、引き続き「つぼ」は外している。ミードは、財政支出や軍派遣等に何もコミットしていないと述べるが、米国の影響力の源泉はその圧倒的力なのであり、少なくとも時には平和実現のためにそれを使うか、使うふりはしなければならない。
特にウクライナの場合には、終戦後の平和維持のための部隊には、やはり米国の関与が不可欠だろう。紛争が再発しないことを確保するのは、紛争を止めるのと同じくらい大変であり、大切である。
力はあるのに相手にされない
最後に、末尾でミードが言うように、偉大な政治家になりたい、またはノーベル平和賞を取りたいという「野望実現には、見出し作り以上が必要だ。彼は変わりつつある世界で米国が直面する大きな挑戦に対応する必要がある」。
一貫しない発言を繰り返し、本来最も頼りになる、米国のために最も重要である同盟国を失い、自由貿易を含む国際秩序を破壊し、米国が友人を作る上で最も頼れる強力な「市場アクセス」を自ら捨て去り、今後益々影響力を高めていくグローバルサウスの支持も失い、覇権争いをする最も強力な対抗馬である中国の傘下にそれらの国を追いやる。それこそが、東南アジアなど世界各地で、今トランプ政権が意識さえせず日々やっていることである。
今は欧州でも中東でも、米国の覇権を背景に、何もコミットせずに何でも実現できるかもしれないが、この調子を後数年続ければ、力はあるのに、誰からも相手にされない国になっていないとの保証はない。
