2025年12月5日(金)

トランプ2.0

2025年9月25日

 米大統領による根拠や実現性のあやふやな発言、情報発信が相次ぎ、米政府の国際的信用失墜を招いているとする指摘が、米メディアで出始めている。

(ロイター/アフロ)

 トランプ氏の“言行不一致”、“言いっぱなし”、”思いつき発言“ぶりは、1期目の大統領時代(2017~21年)から内外メディアの格好の話題となっていたが、2期目になっても少しも変わらない。

 以下に、その中から主な発言と現状を話題ごとに列挙してみよう:

ウクライナ関連

 「ウクライナ戦争は私が大統領就任後、24時間以内に終わらせる」――。トランプ氏が昨年大統領選挙戦を通じて自信たっぷりに公言してから早くも1年近くになる。

 さらに当時、「戦争終結の確立は100%」とうそぶき、その理由として「私はウクライナのゼレンスキー大統領もロシアのプーチン大統領もよく知っているからだ」と説明、「(解決は)簡単なことだ」とさえ言い切った。

 しかし、去る1月20日大統領就任式の直前には、「6カ月以内の解決がより現実的だ」と後退した予測に修正した。それから「6カ月」を過ぎても、和平の機運は全く見えず、両国間の戦争はエスカレートしていった。

 ようやく8月15日、トランプ大統領がプーチン大統領をアラスカ州アンカレッジに呼び寄せ会談、直後の同18日にゼレンスキー大統領ともホワイトハウスで協議するに至って、世界のマスコミも「今度こそ」と期待をふくらませた。

 トランプ氏自身も両国大統領とのそれぞれの会談結果を踏まえ「1週間以内にもプーチン・ゼレンスキー直接会談が開かれる。必要なら自分も同席する」と興奮気味に語り、早期和平実現への自信をにじませた。

 ところがその後、1カ月を過ぎた現段階になっても、ロシア・ウクライナ首脳会談、米国を加えての3国首脳会談のいずれも開催の目途は全くたっていない。それどころか、和平をめぐる両者の溝は一段と深まりつつある。プーチン大統領が「ウクライナ側が領土割譲に応じない」としてゼレンスキー大統領との会談を拒否し続けていることなどが主な理由だ。

 トランプ氏はロシアを交渉のテーブルにつかせるための圧力の切り札として、北大西洋条約機構(NATO)全加盟国に対し、ロシアからの原油輸入を止めるよう呼びかけているが、加盟国間の足並みも乱れたままだ。この間、ロシア軍による無人機などを多用した対ウクライナ攻撃は激しさを増しつつある。


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