2025年12月5日(金)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年10月21日

38度線警戒の無人化

 合同参謀本部の陳泳勝議長は、尹政権での非常戒厳宣布を「明白な内乱行為」と断じて謝罪した上で、「憲法的価値を守る国民の軍隊」への再生を誓った。政治的主張が強いアピールと裏腹に、その具体策はテクニカルで未来志向だ。

 それを象徴するのが、38度線を警戒する部隊の無人化計画だろう。少子化による兵員の減少と北朝鮮の活発な動きを考慮し、40年までに非武装地帯(DMZ)内部に置かれる監視哨所(GP)とDMZ南側に置かれる一般前哨(GOP)をAI主導の有・無人複合システムへ段階的に転換する。28年には監視から攻撃までの一連の業務を担うAI統合管制プラットフォームを配備して、人力に頼らない警戒警備体制を目指すという。

 また、北朝鮮の小型無人機への対応も具体化され、「拒否・遮断・防護」の3段階の概念が示された。できるだけ遠距離で北朝鮮無人機の空域利用を拒否し、北朝鮮と隣接する地上や海上で迎撃(遮断)し、拠点毎に軍官民の対ドローン戦力を運用して重要施設を防護するというものだ。

 その他、戦時作戦統制権の転換準備や未来連合司令部の構築、連合構成軍司令部の常設化など、韓国軍主導の同盟体制づくりが加速されるようで、11月初旬にはソウルで韓米軍事委員会会議が開かれる。

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