2025年12月5日(金)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年10月7日

 韓国での10月は大型連休の「秋夕」の月。旧暦の8月15日にちなむ秋夕は日本のお盆にあたり、多くの韓国人が帰省する。今年はカレンダーどおりで7連休、人によっては10連休になる。今回は10月1日の「国軍の日」と3日の「開天節」という2つの記念日を紹介する。

軍事パレードに象徴される「国軍の日」

 毎年10月1日は韓国軍の発展を記念する「国軍の日」だ。この日が記念日になったのには2つの説がある。一つは朝鮮戦争で陸軍が38度線を初めて突破した日、もう一つは韓国空軍が創設され陸海空軍の三軍体制が整った日という説だ。

 国軍の日は1956年に李承晩(イ・スンマン)大統領が制定し、それまで軍種ごとに存在した記念日を一つにまとめた。76年からは公休日(祝日)になったが、91年には企業の生産性向上のため平日に戻ったという経緯がある。過去には国会議事堂がある汝矣島で閲兵式が行われていたが、式典のあり方は政権によって大きく変化している。

 全斗煥(チョン・ドゥファン)政権まで毎年行われていたが、盧泰愚(ノ・テウ)政権で3年に1回となり、金大中(キム・デジュン)政権で5年に1回、すなわち、大統領就任初年にのみ行うこととなった。

 閲兵式といえば北朝鮮を思い浮かべる方も多いが、韓国もこのように定期的に閲兵式を行なっている。大陸間弾道ミサイルの登場やマスゲームなどド派手な演出は北朝鮮に劣るが、近年では兵器輸出の観点から韓国の閲兵式に注目する軍事ウォッチャーが増えている。

 このように慣習的な閲兵式だが文在寅(ムン・ジェイン)政権では一度も行われなかった。就任初年の夏が40度を超す記録的猛暑となり、部隊が訓練できなかったことに加え、北朝鮮を刺激したくないという政権の意向が加わった。別の見方では、陸軍特殊作戦部隊出身の文大統領が「形式的でムダな行事」と判断したからとも言われる。


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