ナイジェリアに関してもトランプは11月1日に「ナイジェリア政府がキリスト教徒の殺害を許容するのなら、米国は直ちにナイジェリアへの全援助を停止する。またこの恐ろしい残虐行為を行っているイスラム過激派の殲滅のために同国に突入するかもしれない。私はここに行動を準備するよう戦争省に指示する」と投稿した。
ヘグセス国防長官は直ちに 返答し、国防総省は人口2億3000万人超の国への軍事介入の選択肢を用意した。計画にはボコ・ハラム等イスラム過激派との戦闘でのナイジェリア軍への支援やナイジェリア北部への空爆が含まれていたと言われる。しかし、こうした行動でナイジェリア特有の政治抗争が終わると考える専門家はほとんどおらず、米国の援助打ち切りは不安定さを助長する。
全ての戦争を終わらせたと自慢する大統領がナイジェリアへの「突入」を示唆するのはおかしな話だ。ベネズエラに関しても同様で、トランプは今やカリブ海に1962年のキューバ危機以来最大級の米海軍を集結させ、マドゥーロ大統領を打倒すると言っている。
また世界の最貧国への援助を打ち切り、困窮した人々に破滅的結果をもたらす一方、アルゼンチンに200億ドルを提供して財政的無責任から救出しようとするのもおかしな話だ。
トランプ外交はほとんど理解不能だが、トランプのやり方に一貫性がないことは支持者たちにとってはあまり問題ではない。アラバマ州選出の非介入主義の上院議員は政権がナイジェリアに介入してもトランプを支持すると言い、ワイオミング州選出の上院議員は「トランプの言うことは全て賛成する」と言う。
MAGA はどこでもトランプが先導する方へ行くし、多くの者は紛争を仲介すると同時に威嚇もするトランプの矛盾した行動を評価している。
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折に触れ扱いの話し合いを
このMax Bootの論説は、トランプ外交が矛盾だらけで説明不可能であることを批判しているが、このBootの意見に賛成である。
トランプのような人に歩調を合わせていくことは不可能であり、そういう努力はしても無駄であろうと考える。トランプをどう取り扱うかを同志国とも折に触れ、話し合う必要があると思われる。
