2025年12月14日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年11月26日

 トランプを国際法や憲法を含む国内法を無視しがちな無法者であると思うこともできるが、一つ評価できていたのはトランプが戦争嫌いであるとの点であった。トランプはビジネスマンであり、お金儲けを重視する人で、戦争のような馬鹿げたことはやめるべきであるとの強い信念をもっていると考えていた。そこから平和の仲介に熱心であったのだろう。

 しかるに、この論説にあるように、最近はナイジェリアへの侵攻を示唆したり、カリブ海に米軍を展開したり、ベネズエラ国内でのCIAの工作を示唆したりするなどの脅しをかけている。トランプが戦争挑発者ではなく、平和の創造者になるように奨励して行くことが望ましい。

日本は日米同盟重視の継続を

 トランプが自由民主主義陣営のリーダーと考えるのは間違いだろう。本人もそういう役割は返上したいと考えているのではないか。

 日本は、より自立した国として、同志国との連携を深めつつ、強い国を目指すしかないと思われる。米国にそれを持続させる気がないのにPax Americanaが続くとの前提でいるのは危うさを伴う。

 ただトランプの米国内での支持率は大きく低下しており、ニューヨーク市長選、二つの知事選挙では民主党が勝利した。トランプ的な政策の持続可能性は中間選挙の結果次第とも言える。

 日本としては自立を目指しつつも、日米同盟を重視する姿勢は、米国の内政の変化で米国が再び頼りがいのある国になることもありうるので、堅持していくことが良策であろう。

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