2025年12月17日(水)

プーチンのロシア

2025年12月17日

マクドナルド改めフクースナ・イ・トーチカを体験

 ウラジオストクに到着し、6年振りにロシアの地を踏んだ筆者が、まず行ってみたかったのが、ハンバーガーチェーン「フクースナ・イ・トーチカ(美味しい、ただそれだけ)」である。周知のとおり、マクドナルドがロシアから撤退し、ロシア資本がそれをリブランディングして出来たのがフクースナ・イ・トーチカであり、ロシア全土に1000近い店舗がある。

 思い起こせば、20年12月にウラジオストクでマクドナルドが2店舗オープンし、「ついにロシア極東に初上陸!」と話題になったものだった。その時には、まさかその1年ちょっと後にマクドナルドがロシアから全面撤退するなど、誰も想像もできなかった。

 そうしたウラジオストクの地で、後継のフクースナを初体験するのも、一興であろう。この間もロシアに出入りしていた皆さんにとっては「いまさら」かもしれないが、とにかく6年振りにロシアに来た筆者のような者にとっては、避けて通れない通過儀礼のように思われた。

 そんなわけで、ウラジオストクのフクースナ店舗に足を踏み入れ、注文を試みようとする。しかし、日本以上にキャッシュレス化の進んだロシアでは、ほとんどの客がタッチパネルで注文して、カードで支払う。

 VISAなどの国際的なクレジットカードは使えないので、筆者のような外国人旅行者はキャッシュレス・ロシアでかえって不便な思いをする。このフクースナの店舗でも、注文カウンターに出向き、忙しそうに動き回っている店員をわざわざ呼び止めて、「すいません、現金でお願いします」と申し出なければならなかった。

フクースナ・イ・トーチカのハンバーガー、ポテト、ドリンクのセット。味はまあまあ悪くない。

 ようやくありついたフクースナのハンバーガーセットは、マクドナルドからそんなに劣化したという印象はなく、普通の味だった。筆者は店内でそれを頬張りながら、ひっきりなしに訪れるイートインの客、テイクアウトする客、またフードデリバリーの配達員たちの様子を眺め、つらつらと考えた。

 ロシアの生活、決して世界最先端というわけではない。それでも、諸外国と同じように、もっと言えば日本以上に、プラットフォームエコノミー化、オンデマンドエコノミー化は進んでおり、大都市部の利便性・快適性は高い。ロシアにも、サービス産業やITなど、戦争や制裁とは関係なく、時代の波に乗り伸びている成長産業もあるのだ。

都市部ではシェアサイクルや電動キックボードなどのモビリティサービスが発達。フードデリバリーの配達員は、自前のチャリではなく、シェアサイクルを利用する人が多い印象。

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