ストーリーの正当性が崩壊?
トランプにとって気になる世論調査結果が出た。米NBCディシジョン・デスクによる全国世論調査(2025年11月20~12月8日実施)の結果だ。
同調査では、自身を「MAGA共和党」と考えている共和党支持者におけるトランプの支持率は70%であった。4月に行った同調査と比較すると、8ポイント下がった。トランプのMAGA共和党における支持率は高くないとみてよいだろう。
グリーンは、2025年12月に放送された米CNNのインタビューの中で、トランプ政権が年末までに、オバマケア(医療保険制度改革)による連邦政府からの補助金延長を認めなければ、保険料が大幅に値上がりし、彼女の選挙区にいる約7万5000人の有権者に悪影響を与えると訴えた。彼らは共和党支持者だと強調した。もちろん、その中には「MAGA低所得層」が含まれている。トランプは補助金延長に反対している。
グリーンが中間選挙まで米メディアに頻繁に登場し、「もはやトランプはアメリカファーストではない」と喧伝した場合、MAGA共和党のトランプの支持率は、さらに低下し、MAGAの「ひび割れ」から「分断」に進む可能性が出てくる。
また、トランプが、2016年米大統領選挙から、アウトサイダーの身から作り上げてきた「闇の政府(Deep State)」のストーリーを根底から脅かすような要素も含まれている。今、闇の政府として疑われているのは、エプスタインの捜査資料を隠蔽工作しているトランプ政権の方だからだ。トランプの闇の政府のストーリーの正当性が崩壊するかもしれない。
