2026年1月16日(金)

Wedge REPORT

2026年1月16日

教員不足は「人材政策」ではなく「統治」の問題

 教員不足は、単なる人材確保の失敗によって生じたものではない。本来の原因は、教育をサービス産業化へと導いてきた統治の失敗にある。

 国民は教育者に集金事務や過剰な保護者対応、際限のない部活動指導といった「サービスとしての充実」を求め、政治家と行政はその要求を受け入れた。結果的に学校のブラック化を加速させている。

 そうした過重労働は、長らく教員の使命感によって吸収されてきた。悲劇は、その吸収力がすでに限界を超えていたことに、教員のなり手がいなくなるまで、誰も気づかなかったことにある。

必要なのは国が「教員」という専門職をもつ覚悟

 教員不足への対策として、入口を広げ続けることはできるかもしれない。しかし、過度な要求に迎合し、教員が本来の業務に専門職として成長し続けられる環境を塞いだままでは、いずれ学校教育制度そのものが立ち行かなくなる。

 法律上、教員の職務は、児童生徒の「教育をつかさどる」ことにある。求められてきた「サービス」は、教員の専門性とは言い難い。

 教育のサービス産業化に歯止めをかけるとともに、定数改善、業務の切り分け、部活動を含む教職外業務の外部化を実効性ある形で進める必要がある。そうして初めて、教員が授業力や生徒指導力といった専門性を成長させ続けられる環境が整う。

 遠回りに見えるかもしれないが、これこそが最も確実な教員不足対策である。今、問われているのは、教員という専門職を本気で育て、守る覚悟が、政策決定者にあるのかどうかである。

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