同様に目立つのは大統領を抑える議会共和党の意思の欠如と最高裁が彼に示した敬意である。 フランクリン・D・ルーズベルト(FDR)以来、いかなる大統領もこのような支配力を振るった大統領はいない。FDRは大恐慌と第2次世界大戦のせいにできたが、トランプは何の緊急事態も引き継いでいない。彼は単に物事をなし、他の人が黙認したのである。
トランプの制約のない大統領制は米国の政治的伝統にそわない。米国の政府と民主主義にとり中心的なのはチェックとバランスの考えであり、連邦政府の三分野が共同で統治し、一分野が支配しないことを確保する。しかしそうはならなかった。
対外的にはトランプは西半球に先例のない焦点を当てた。この戦略は米国を欧州とアジアの同盟国から遠ざけ、ロシアと中国に近づくことを意味する。結果として力のバランスは最近まで現実または潜在的対立者とみられていた国に有利なように変わった。
将来を見ると、最高裁がトランプ関税にどういう判断を下すか、議会の共和党員がトランプ離れを起こすかが重要である。もっと重要なのは26年11月の中間選挙である。
トランプの支持率が低いと、民主党が議席を増やし少なくとも下院の多数を得る可能性がある。そうなれば議会は大統領府が求める法案を否決する能力を獲得し、政権を調査する権限も得られる。トランプはそれを避けたいだろう。問題は選挙が自由で公正に行われるかである。
アジア太平洋では、米国の友人と同盟国、特に台湾の側に立つためのトランプの意思についての疑念がある。26年春、トランプの中国訪問が予定されているが、米国の貿易赤字を減らしたいとの願望が、世界の未来にとり重要な地域での力の均衡を維持することより重視されることになりかねない。
バランスを崩したシステムは、よりバランスを崩すか、新しいバランスに至るかである。トランプが何を望むか、なしうるかはこの進化を決定する上で重要で、それでこの時代の歴史も決定される。そういうことなので、26年は米国と世界にとり転換の年になることが約束されている。
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三権分立の立て直しが急務
リチャード・ハースは国務省の政策企画部長を務めた後、米国の外交評議会の会長を長年務めてきた人であり、その情勢分析能力や政策提言能力は高く評価されている人であり、その論説は注目に値すると考え、紹介した。25年は大変な年であったと改めて思い起こさせる論説である。
