2026年1月19日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年1月19日

 トランプ大統領が米国民主主義の柱であるチェックとバランスを形骸化させようとしており、また外交政策においても国家主権の尊重という国際法の基本原則を無視する主張を展開するなど、国際秩序を混乱させていることは明らかであり、ハースの批判は的を射ていると考えられる。

 現在のトランプ政権のやりたい放題を止めるには、米国での三権分立を立て直す必要があり、この論説が指摘するように、最高裁がトランプ関税についてトランプにはそれを課す緊急権限はないとする判決を出すことや、26年秋の中間選挙で少なくとも下院で民主党が多数派になることが必要であろう。そしてそうなる可能性は大きい。   

 トランプの支持率は最近30数%に低下しており、不支持率は40数%を超えている。この傾向が反転する可能性はあまり高くないと見通せる。

日米協力の重要性

 米国は日本にとってかけがえのない同盟国であり、その大統領にはそれにふさわしい敬意をもって向き合うことが適切であると考えるが、アジアの情勢については中国の脅威を強調し、それをよく認識するように働きかけていくことが肝要であろう。経済的利益を重く見て、地政学的考慮を軽視するのはアジア太平洋での平和にとり有害である。

 バランスを崩したシステムは、よりバランスを崩すか、新しいバランスに至るかのいずれかであるとのハースの指摘はその通りであり、新しいバランスが平和裏にできるように日米が協力していく重要性は大きい。

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