2026年1月22日(木)

トランプ2.0

2026年1月22日

グリーンランドかNATOか?

 今年に入り、ベネズエラで成功体験を得たトランプは、「フラッド・ザ・ゾーン(情報洪水戦略)」に出た。ベネズエラの後、コロンビアとイランを注目を集める道具として使い、現在、世界の目をグリーンランドに向けさせている。

 トランプは「米国はNATO(北大西洋条約機構)の力になるが、NATOは米国の力にはならない」とNATOの無力さに触れ、「中国とロシアがグリーンランドを占領する。中国とロシアの隣国にはなりたくない」と持論を展開した。中国とロシアの脅威を強調して、米国によるグリーンランド領有を正当化している。ちなみに、米国はアラスカ州でロシアと隣国である。

 米国とNATOとの関係に関して、トランプは1月8日、米有力紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、「グリーンランド領有とNATOの維持と、どちらが優先順位が高いのか」という質問に対して、「選択になるかもしれない」と回答し、グリーンランドかNATOのどちらかを選択する可能性があることを示唆した。

 ロシアによるウクライナ侵攻に直面している米大統領であれば、NATOと明確に答えるべきところだ。しかし、米国がこれまでNATOに搾取されてきたと考えるトランプは、NATOとのパートナーシップよりも、温暖化により融解が進むグリーランドにおける鉱物資源確保に魅力を感じているのだろう。NATOよりもグリーンランド領有が優先されるのだ。

 一連のトランプの言動に関して、ドン・ベーコン下院議員(共和党・西部ネブラスカ州)は、「グリーンランドはわれわれの同盟国だ。同盟国を脅すのはばかげている」と述べた。また、「もしトランプ大統領がグリーンランドに軍事侵攻をしたら、彼を弾劾することを考える」「大統領職は終わるだろう」とまで述べて、トランプに警告を発した。共和党議員の中でも、グリーンランドの軍事侵攻には強い反対論がある。

 トランプは1月21日、世界経済フォーラムの年次総会(通称ダボス会議)で演説を行い、グリーンランド領有に関して「武力は使わない」と明言したが、軍事力を行使して、他国の資源を奪ったとしても「世界に自分と米国を処罰できる国はない」とみている節がある。


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