建設市場が縮小局面にある中で、工事受注量の確保は建設企業の経営状況を安定化させ、人材確保を行いやすくなるだろう。
第3に、土木建築科のある高校を増やすことだが、これは地域ニーズを踏まえれば、難しいかもしれないが重要と言える。
地震大国イタリアから学ぶ
最後に、欧州の地震大国であるイタリアの取り組みについて紹介したい。イタリアでは、発災後48時間以内に被災者へトイレ・カー、キッチン・カー、仮設ベッドが届く。キッチン・カーはコース料理とワイン、温かい食事を提供する。
なぜこうしたことができるかというと、イタリアには災害時でも市民が普段営んでいる生活を保障する、という市民社会保護の考え方があるからだ。その費用として約3000億円の国家予算が組まれている(日朝洋明(2024)「派遣された国交省職員が見た令和6年能登半島地震の現状」「建設政策 No.216」16頁)。
こうした取り組みが日本でも実現されれば、その実現において必須の建設就業者の存在意義が改めて見直されるのではないだろうか。
注)この記事は、柴田徹平(2025)「持続可能な地域経済の条件と建設若年雇用―岩手県沿岸地域を対象として―」『経済学論纂(中央大学) 第66巻第1・2合併号』をベースに執筆しました。

