2026年1月23日(金)

Wedge REPORT

2026年1月23日

災害頻発地域で起こる建設就業者の高齢化

 総務省『労働力調査』によると、建設就業者が1997年の685万人から2023年の483万人と、四半世紀の間に200万人強減少している。また高齢化も深刻で、2023年は55歳以上の就業者割合が36.6%に対して29歳以下割合が11.6%となっており、20代が就業者の1割しかいない状況である。

 さらに深刻なのが自然災害の多い地域で建設就業者が顕著に減少していることである。総務省『労働力調査』から地域ブロック別に建設就業者の増減を2000年と2020年で比較してみると、「15歳~34歳割合」は北海道地方と東北地方が4割減少、北陸地方が3割減少で、「55歳以上割合」は北海道地方1.9倍、東北地方1.7倍、北陸地方1.4倍となっている。中高年就業者が増える一方で若年就業者が大幅に減少しているのである。

 ボウサイ7+「日本で起きた災害一覧」によれば、2000年以降に発生した自然災害45件のうち22回が地震で、そのうち東北が7回と最も多く、次に多いのが北陸の4回となっている。自然災害が多発している地域で建設就業者の顕著な減少が見られるのである。

 このまま建設就業者の減少が続けば、自然災害時に瓦礫を撤去する人がいなくなり、人的被害は甚大なものとなるだろう。

建設の仕事が遠い存在に

 なぜ建設就業者が必要とされているにもかかわらず、顕著に減少しているのだろうか。この謎について北陸と同様に建設就業者の減少が著しく、東日本大震災を経験した岩手県沿岸地域を例に解き明かしていきたい。

 大船渡や釜石など東日本大震災の被災地を歩き、現地の方と話して感じることは、建設業者へのリスペクトである。地域住民は、復旧復興の過程で建設業者が果たしてきた役割を肌で感じているのだろう。

 また筆者らが現地の高校生(釜石高校、釜石商工高校、大槌高校)に行った建設業イメージ調査でも「良い」(38%)、「どちらかと言えば良い」(47%)で85%が良いイメージを持っている。にもかかわらず、建設業への入職希望者は3.5%しかいない。

 このギャップが生じる理由として知る機会の少なさが挙げられる。同調査では、これまでに建設業を知る機会がなかったと回答した高校生が48.7%にのぼる。一方で、知る機会があった高校生は入職希望者が多くなっている。これは、建設産業がこの10年ほどの人材不足への危機感を背景に、労働条件の改善を進めており、高校生がこうした取り組みを知ることで入職に繋がっている可能性がある。


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