2026年1月27日(火)

Wedge OPINION

2026年1月27日

 日経平均株価は2025年10月に5万円を超えた。年初来では3割を超す上昇であり、株価を見ていると日本経済が絶好調であるような印象を受ける。他方、一般消費者の生活実感が改善しているとは言い難い。最新のデータは高市早苗政権に対する期待もあってかいくぶん持ち直しているものの、消費者心理は悪化した状態にある。

2025年10月31日、日経平均株価は初めて5万2000円台に乗せたが庶民の暮らしは苦しいままだ(YOSHIOTSUNODA/AFLO)

 例えば日銀が四半期ごとに公表する「生活意識に関するアンケート調査」では、消費者が感じる景気の「現状」を数値化したものは深いマイナス領域にあり、コロナの最悪期よりわずかに高い程度である。このように街角で流れている空気は株式市場と大きく異なる。筆者はこれを「株高不況」と呼んでいる。

 消費者の生活実感が改善しない中で進む株高に、違和感を覚える人は多いだろう。では株価が間違っている、すなわちバブルなのかと言えば、その可能性は低い。客観的なデータとして株価収益率(PER)がある。これは最も代表的な株式の割安/割高を測る尺度であり、それに基づけば、現在の株価は概ね妥当と言える範囲にある。

 バブル期は、その企業が生み出す(一株当たりの)利益に対して60倍~80倍の株価水準で取引されていたのに対して、現在は大まかに20倍前後であり、これは過去の日本、そして現在の主要先進国との比較で平均的な数値と言える。この点がバブル期とは決定的に異なる。

 また、意外に思えるかもしれないが、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価に含まれる日本企業の一株あたり利益(EPS)は、米国企業(S&P500)並みに伸びており、15年を100とした利益水準は日米間に大きな格差は認められない。日本企業はしばしばJTC(Japanese Traditional Company)などと揶揄され、「稼ぐ力が劣る」「大胆な意思決定が苦手」「貯めこんでばかりいる」などと指摘されるが、米国企業に伍する成長を遂げてきたことは認識する必要があるだろう。


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