2026年1月25日(日)

WEDGE REPORT

2026年1月25日

ハマスの”ナラティブ(物語)”を読んだガザ市民は

 一方で、今や国際社会では、その後2年間に及んで残虐な攻撃を繰り返してきたイスラエルへの非難の声が圧倒的に高まっている。そうした国際世論を追い風に、今回新たに発表された文書では、過去の越境攻撃は抵抗の偉大なる「成果」であり、2年間の多大な犠牲を払ってでもハマスは降伏しなかったのだと声高に強調する。いわば、越境攻撃から停戦合意を勝ち取ったハマスの功績を称える集大成としての「ナラティブ(物語)」なわけだ。

 この文書からは、停戦交渉に臨むハマスの姿勢が透けて見えてくる。ハマスの存在を日常の中で最も間近で見てきたガザ市民の声は非常に冷静で率直だ。

「私は文書の大部分を読みましたが、全体として自己批判を大きく避けていると感じました。ハマスの大義に世界の注意を向けさせようとする試みだったという意味で、ハマスは10月7日の攻撃には成功したのかもしれません。しかし、その攻撃がもたらした結果については書かれていませんでした。また、外部からの裏切りや国際社会の偽善に強く焦点を当てていましたが、ハマス内部における戦略的失敗、とりわけ交渉や危機管理における失敗についても認めていません。ハマスはその後、ガザ市民を守ることに失敗し、2年に及ぶ戦争で交渉においても失敗したのです。結局のところ――私たちは悪循環の中に閉じ込められているように感じるのです」

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