演説後、聴衆はスタンディング・オベーションで賛意を表した。X上には、カナダ人だけからではなく世界中の政治家、言論人たちから「ここ数年間に世界の政治家たちが行った演説の中で、最も感銘を与える演説だった」という賛辞が溢れた。
「カーニー首相は、ポスト米国時代の新しい価値共同体を率いるべき指導者だ」という言葉もあった。深い思想性に支えられたこの演説は、カーニー・ドクトリンとして歴史に残るだろう。
グリーンランド問題が示す、米国依存の危険性
現在欧州やカナダが直面する苦悩は、日本人にとって対岸の火事ではない。日本は防衛・貿易において米国に大きく依存している。
しかしグリーンランドをめぐる論争は、パックス・アメリカーナ(米国による平和)の終焉をはっきり示した。この論争でトランプ政権がNATO諸国に対して取った態度は、米国に100%依存することの危険性を示している。
日本はもはや経済大国ではなく、カナダやドイツと同じミドル・パワーである。今こそ日本は、カナダやEU加盟国が模索しているように、中国、米国などの覇権国家から健全な距離を置く防衛政策、経済政策を探るべき時代にさしかかっているのではないだろうか。
