2026年3月4日(水)

プーチンのロシア

2026年3月4日

複数国におよぶ「迂回取引」

 二つ目は、第三国経由の「迂回取引」があげられる。今年2月23日付の日本経済新聞は、中国国有企業がロシア同盟国ベラルーシにロケット弾の大規模な兵器を輸出している事実を報じた。

 中国の軍事貿易企業である中国電子進出口(CEIEC)とベラルーシ国営防衛関連企業の精密電気機械工場(ZTEM)が122ミリロケット弾頭部品の生産ラインを設計・供給する契約を取り交わしており、26年後半にも稼働するという。生産された弾頭部品はロシア軍の多連装ロケット砲BM-21グラートの仕様に適合しており、ロシアに輸出されるとみられる。

 中国はロシアに輸出しているのは民生品で、兵器供給には関与していないとの立場をとっているが、ベラルーシを経由した軍事関連取引の存在はかねてから指摘されてきた。前述したIMF の統計データInternational Trade in Goodsは24年、ベラルーシがロシアにとって第3位の輸入先で、その金額規模を137億ドルとしている。これは、24年のベラルーシ全体の総輸出額494億ドルの約3分の1に相当する。国連の国際貿易統計データベースUN Comtradeからは、ベラルーシを通じて中国からロシアに渡る輸出品が、軍需品以外にも、産業機械・工作機械、電子部品、消費財・生活物資と多岐にわたることを示している。

 ロシアの第4位の輸入先であるトルコを経由する中国との取引も多い。米国の調査機関C4ADS(Center for Advanced Defense Studies)は、民生用途を名目としたドローン関連製品(フライトコントローラ搭載モジュール、小型エンジン・モーター等)、通信機器、電子制御装置、CNC(コンピュータ数値制御)周辺部品、車載電子、光学センサーといった中国製の中間製品はトルコに一旦持ち込まれ、同国にて組み立てされた完成品が、ロシアに輸出されている事実を指摘している。

 中国、ロシアと陸続きで、中央アジア域内物流の結節点であるウズベキスタンも24年、第5位のロシア輸入先となっている。トルコ同様、軍民両用可能な通信機器、電子機器等、多くの中国製の中間製品がウズベキスタンに流入し、その後、完成品となってロシアに輸出されている。


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