G7を超える「中国経済圏」
以上、資金決済や第三国経由取引を切り口として、ロシアと中国の貿易関係について述べてきたが、制裁の回避や迂回といった目線から考察すること自体が誤りかもしれない。ロシアに制裁を科す主要7カ国(G7)の世界における購買力平価(PPP)ベースのGDPは約25%である一方、中国が主導する経済圏(中国+一帯一路参加国)のPPPベースのGDPは世界の50%を超える。
中国、ロシアを中核とする「上海協力機構」は、欧米を除く10カ国で構成され、世界人口の約42%、PPPベースGDPで世界の約36%を占め、かかる10カ国はロシア制裁には参加していない。ウクライナ侵攻を契機として、中国経済圏に取り込まれたロシアは、この経済圏における資金決済やサプライチェーンを通じて、中国との経済関係を拡大させているに過ぎないのかもしれない。
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