地政学的な制約、国際情勢、制裁、エネルギー構造の変化──
さまざまな要因が絡み合い、かつてのような自由な往来は難しくなっている。だが、歴史を見ればわかる。国家の関係が薄れても、文化と商いは必ず新しいシルクロードを見つける。
正倉院の宝物が千年を超えて残ったように、祇園祭の絨毯が今も人々を魅了するように、日章丸事件がイランの記憶に刻まれているように、日本とイランの関係は“細く長く、しかし確かに”続いてきた。
そして今、日本企業は戦後80年の内部完結型OSから、外部接続型OSへと静かに移行しつつある。
- アライアンス
- 外部人材
- 副業・兼業
- 越境経験
- 社外取締役
- サステナビリティ
- プラットフォーム
- データ活用(社内だけでは効果が薄れる)
- 信頼資本(trust capital)
これらはすべて、企業国家の終焉後に生まれる新しいOSの構成要素である。
- 外部と協働する信頼
- 異質性を受け入れる信頼
- データを共有する信頼
- 社会と価値を共創する信頼
信頼資本は、外部接続型OSの“エネルギー源”であり、企業国家には存在しなかった資本である。kindle出版で本日発刊した拙著『戦後日本の組織OS―企業が社会を支えた80年の構造』は預金封鎖から始まった80年の旅路をたどりながら、企業国家の成立と終焉、そして信頼資本を中心とした新しいOSの胎動を描く試みである。
シルクロードの商人たちが、国家の揺らぎを超えて価値を運び続けたように、本企業もまた、外部とつながることで“静かな強さ”を取り戻すことができる。
企業こそ、社会を前へ進める力を持っている。そのことを、歴史は静かに教えてくれる。
