北朝鮮は核計画を進め、今では50発の核弾頭を保有していると言われ、米国本土を標的にした大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験も行っている。この経緯の教訓は、米国の大統領が北朝鮮を止めるために長く待ち過ぎた点にある。
「戦争の危険は大きい」、「外交的手段が残っている」等言っている内に、北朝鮮は核保有国になった。紛争が起きれば、悲惨な状況にまでなりかねない。
イランについても、これまで同様の対応が取られてきたが、トランプ大統領は、昨年 6月の12日間戦争において、イランの核計画に対して攻撃を加え、イスラエルがイラン攻撃をすることを認めた。我々は現在のイランとの紛争がどう終結するかは分からないが、イランの急進的体制が終わりを迎える時に、核計画を保有していないことは分かっている。それによって世界はより安全な場所となったのだ。
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立場が分かれる北朝鮮の核問題
上記は、トランプ政権によるイラン攻撃を擁護する社説である。北朝鮮の核問題への対応を悪しき前例とし、北朝鮮の第一次核危機の際、94年に軍事攻撃寸前まで行ったもののそれを行わなかったことで今日、北朝鮮が核保有国に至っていることを挙げ、今回のイラン攻撃を評価する内容である。
これは、2月28日の米国とイスラエルによる攻撃開始以来、イスラエルが用いてきた論理である。3月11日付読売新聞が掲載したイスラエルのコーエン駐日大使へのインタビュー記事で、大使は、この攻撃に踏み切ったのは「90年代の北朝鮮による核開発問題から学んだ教訓による」と、この社説と同議論を展開した。これは今次攻撃を正当化する立場からの一つの主張ではあるものの、幾つかの問題点もある。
まず、北朝鮮の核問題への対応について、94年に米国のクリントン政権が軍事攻撃の準備まで行ったが、カーター元大統領の関与を経て、外交的解決に舵を切り、軍事攻撃を行わなかったのは事実で、その後、米朝間の「枠組み合意」が出来、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が創設された。ただ、北朝鮮が核を持つに至った原因をこの点に求めるのは、一つの見方に過ぎず、専門家の間での一致した見解ではない。
