北朝鮮の核問題について、「別の道があり得たのか」「どの時点で別の道をとることができたか」は、論者によって立場が異なる。イスラエルや 上記社説のような見方もあるが、米国の累次の政権交代等もあり、方針が「関与」と「最大限の要求」との間で大きく揺れ動いたことを失敗の原因とみる見方もある。長年、この問題に関わってきた米国のジークフリード・ヘッカー博士は後者の見方である。
無理筋と言える「大義」
次に、米国・イスラエルによる今次攻撃の目的をどう捉えるかである。トランプ大統領は、攻撃開始後の3月2日に軍事行動の目的について、①イランのミサイル能力の排除、②イラン海軍の殲滅、③イランの核兵器取得の阻止、④イランによる国外のテロ組織への支援の停止の四点を挙げて説明した。
核保有の阻止以外にも、広範な目的が挙げられ、しかも、緒戦でイランの指導者多数を殺害した軍事行動が目指した「大義」は何であったのか。94年に北朝鮮の核施設への軍事行動を取らなかったクリントン政権を批判して、核施設への攻撃に絞った軍事行動を行った昨年6月のイラン攻撃は正当化できても、北朝鮮の教訓を論拠に、より広範な攻撃目標に対する今回の軍事行動を正当化することは到底できないだろう。
このように、北朝鮮の核問題への対応からどのような教訓をくみ取るかの点からも、今次攻撃の目的との関係からも、上記社説やイスラエルが主張する論理は無理筋と言わざるを得ない。
4月8日、瀬戸際で二週間の停戦が合意されたが、それを維持することも、中長期的な紛争終結につなげていくことも至難である。4月11日、12日の米・イラン協議は物別れに終わった。
一方、米国もイランも、際限ない状況悪化を避けることには共通の利益がある。それをテコに、事態が沈静化に向かうことが望まれる。
