2026年5月20日(水)

日本主導で平和の再構築を

2026年5月20日

時代を経ても人間の本質は変わらない

 「我々は戦争を望んでいない」「敵側が一方的に戦争を望んだ」「敵の指導者は悪魔のようだ」─。第一次大戦時のプロパガンダのメカニズムを検証したアンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』(草思社文庫)が指摘するとおり、時代を経ても人間の本質は変わらない。むしろSNSが発達した現代は、そのプロパガンダ手法はますます高度化し、巧妙化している。

戦争プロパガンダ10の法則
(アンヌ・モレリ著、永田千奈訳、草思社文庫)
¥880 税込

 国際情勢の行方や新たな秩序の風景は誰にもわからない。それでもあきらめることなく希望を持ち続け、日本主導で平和の再構築に向けてどのような道を描けるのか、読者の皆様とともに考えたい。

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Wedge 2026年6月号より
国際秩序、瓦解の危機 日本主導で平和の再構築を
国際秩序、瓦解の危機 日本主導で平和の再構築を

ある写真集を手元に置き、時折ページをめくりながら、この原稿を書いている。『ヘルソン―ミサイルの降る夜に』(f/8)─。フォトジャーナリスト・佐々木康氏がロシアの侵攻下にあるウクライナへ二度赴き、撮影した作品だ。 佐々木氏は4月下旬、取材で知り合ったウクライナの兵士に「平和とは何か」を尋ねたところ、こう返されたという。「戦争の間の一時的な休息だ」 さらに、兵士はこう語った。「私たちの本性は、人間が絶えず平和に暮らすことを許さなかった。戦争は繰り返し起こる。私たちの世代は、第二次世界大戦後の長い(あるいは短い)平和な時代を生きることができて幸せだった。今、その時代は終わりを迎えようとしている」 誰しも、この言葉を信じたくはない。だが、この世界から戦争をなくすことがいかに困難であるかも分かっている。そうした〝大いなる矛盾〟の中で、私たちは現下の情勢をどう受け止め、どう考えるべきなのか。そして、日本(日本人)は何ができるのか─。


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