日本の拠点を作る
5物件のうち、最初に稼働するのがBKC第1号物件だ。2026年秋の竣工が予定されており、すでに複数の大企業が入居を内定している。
12階建てのビルの2・3階にはフレックスフロア(シェアオフィス)が設けられることが決まっているというが、この場所は、単なるシェアオフィスではない。日本食レストランを含む飲食機能や日本式コンビニも導入されており、日系企業の駐在員やビジネスパーソンが自然と集まれる拠点となることを目指している。
第3の人口を誇るバンガロールや首都・デリーに近接するグルグラムに日系企業が集中しがちな現状の中で、商都ムンバイでの拠点整備は日本企業のインド進出の選択肢を広げることにもつながる。
情報交換の場があること、孤独にならないこと。それは企業にとっても個人にとっても、異国での事業継続を支える見えないインフラだ。
住友不動産がやっていることは、突き詰めれば「街をつくる」ことだろう。ワーリーの物件建設予定地で祭りを開き、BKCに東京品質のオフィスを建て、日本食を誘致し、コミュニティを育てる。それは不動産デベロッパーの本業の逸脱ではなく、まさに本業の延長線上にある。
2026年秋、BKC第1号物件が稼働する時、ムンバイにおける日本の存在感は新たな局面に入るだろう。「Japan Matsuri in Worli」の熱狂は、その予兆だ。
