もちろん佐野や鎌田がサブに回る試合もあるかもしれないが、板倉と瀬古は基本センターバックで計算されながら、中盤の有事に備えることになる。同時に彼らは単純な5、6番手というだけでなく、相手が高さのある選手を増やしてきたり、ボランチの選手に守備的な役割が求められるケース、また3ー5ー2にシステムチェンジした場合の“6番”の役割も担うケースがあるかもしれない。そうした選手たちを中盤に入れることで、コーナーキックなど攻守のセットプレーで、高さを追加できる効果もある。
三苫と南野の離脱をどう埋めるか
ただ、3ー4ー2ー1の二列目に当たり、攻撃の決定的な役割を期待される2シャドーの主力候補だった南野と三笘の欠場は非常に痛い。特に選考直前に怪我を負った三笘は唯一無二のドリブル突破力を誇る攻撃タレントであるだけに、彼がいない前提の編成を組むために森保監督やコーチ陣が、ギリギリまで話し合って結論に至ったという。
アタッカーの枚数が多くなり、ボランチが4人になったことも三笘の怪我が影響した可能性はある。主力の怪我というのは全体の構成バランスにも変化を生むということだ。
2シャドーは二度目のW杯に挑む久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)と経験豊富な快速アタッカーの伊東純也(ゲンク/ベルギー)を軸に、鎖骨骨折から回復中の鈴木唯人(フライブルク/ドイツ)や初招集となった3月のイギリス遠征でアピールし、本大会のメンバーに滑り込んだ塩貝が候補になる。191cmの大型FWである後藤も1トップだけでなく、試合の終盤にシャドーでテストされており、同ポジションで精力的な守備と運動能力を生かすケースが見られるかもしれない。
前線は上田、後藤、ヘディングの得点力がある小川航基(NECナイメヘン/オランダ)の3人が1トップの候補となるが、時間帯や状況によっては2トップの採用もあるだろう。快速FWである前田大然(セルティック/スコットランド)も、カタール大会後はサイドの起用が多く現在は中村と同じ左ウイングバックがメインだが、どこかで前線に投入される可能性もある。
守備では猛然とボールを追いかけ、攻撃では驚異的なスピードを発揮する前田のようなアタッカーは大型のセンターバックであるほど、嫌な存在になるはず。森保監督は何かしら本番用のオプションを考えているようだが、前田の前線起用ならカタール組も経験済で、いきなり使っても共有は可能だろう。
世界を驚かす武器を作れるか
世界の大舞台で戦い抜くために、いかにバランス良くポジションやタレントのバランスを考えるかも大事だが、やはり相手を勝負で上回るための武器が必要になってくる。南野や三笘の不在というのは間違いなく痛いが、だからこそ、練り直したオプションが対戦相手に分かりにくいという強みもある。
限られた準備期間でチームを部分的に組み替えながら、ブラッシュアップして本大会に入れるか。ここからさらに注目していきたいところだ。
