2026年5月20日(水)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2026年5月20日

 また、同じ日には以前、イーロン・マスク氏が提訴していた「オープンAI社は公益目的が大きく、営利活動には馴染まない」という訴訟が最終的に陪審によって却下された。これで、「スペースX」に続いて「オープンAI」の上場も加速するという見方がある。その「オープンAI」は「ChatGPT5.5」を発表。その性能はライバルであるアンソロピック社の「ミトス」に肉薄したと言われている。

米中がAIで〝共演〟か

 もしかすると、このAIにおける米中の共存と競争という新たな関係性を定義したのが、今回の米中会談の最大の成果かもしれない。まずアメリカでは、「スペースX」「オープンAI」「アンソロピック」というAI関連の大型上場を成功させる必要がある。そのためには、景気と株価の維持が必要だし、恐らくは中国マネーも歓迎ということになるだろう。また、半導体やデバイスのサプライチェーンに、是々非々かもしれないが改めて中国も入ってくるのかもしれない。

 その一方で、中国では特にアリババ、テンセントといった巨大企業集団がAIへの投資を加速しつつある。知的活動そのものに関わるAIはどうしても国策に深く絡んでくるが、一旦このように米中が共存しつつ競争という枠組みが回りだせば彼らにもメリットが出てくるのは間違いない。何よりも、AIの両輪である大規模言語モデル(LLM)とアルゴリズムにおいて、部分的であれ米中が手を組むことになれば、これは非常に大きな意味合いがある。

 日本にとっては大きな岐路となる。欧州やインドなどと提携して対抗することができるのか、そうでなければ米中の動きに乗っていくのか、これは経済だけでなく、安全保障も絡んだ大きな問題として判断してゆく必要がある。

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