2026年5月22日(金)

トランプ2.0

2026年5月22日

ゆゆしき事態となっている北朝鮮

 ではIAEAは、北朝鮮の核問題についてはどう見てきたのか。

 グロッシ事務局長は去る4月、韓国を訪問した際、その具体的な脅威について、ソウルでの記者会見で以下のように説明している:

 「IAEAはこれまで行ってきた定期的評価によって、北朝鮮側が最近、寧辺原子力研究センターでの核燃料再処理施設および軽水炉の活動を急激に加速させてきたことを確認した。このことは、すでに『数十個保有』と推定される核弾頭の製造能力をきわめて深刻なレベルに増大しつつあることを示している」

 「北朝鮮は寧辺以外にも、同じウラン濃縮関連施設を新たに建設しているが、09年以来、(イランとは対照的に)我々の現地査察を拒否してきているため、実際のところ、これらを含め、核弾頭の増産ペースを算出することは容易なことではない」

 このようにIAEAも認める通り、北朝鮮がすでに「数十個」の核爆弾を保有し、さらに急激に増産しつつあることはもはや既定の事実となりつつあり、韓国、日本、そして米国にとっても、ゆゆしき事態だ。しかも、核弾頭を搭載し、数千キロの長距離運搬能力を持つミサイル開発にもすでに乗り出しており、その脅威は一段と深刻化しつつある。

 もちろん、イランについても、将来的に核爆弾製造にこぎつける可能性がないわけではない。IAEA報告書によると、イランは4カ所の核施設ですでに、①2%濃縮ウラン2391キロ②5%濃縮ウラン6024キロ③20%濃縮ウラン184キロ④60%濃縮ウラン440キロ―を保有している。このうち、核爆弾製造可能とされるのは、60%以上の濃縮ウランだ。

 ただ、北朝鮮とは異なり、IAEAの報告にもある通り、現段階では再処理をへて核爆弾製造に進む段階にまではまだ至っていない。その一つの理由として、イラン側があくまで「平和目的厳守」を柱とするIAEAとの合意の下で、少なくとも昨年前半までは、IAEAによる現地査察を容認してきたことと無関係ではないだろう。

 ところが、イラン側は、米・イスラエルによる大規模攻撃を受けたことで態度を硬化させ、現地査察も拒否したまま現在に至っており、かえって「核爆弾製造」への国際的不安を増幅させるという皮肉な結果を招いている。

 この点に関しても、IAEA報告書は、次のように述べている:

 「我々は去る25年11月7日、そして26年2月3日の2回にわたり、イラン側に対し、安全管理の対象となる核物質および関連施設が平和目的のための活動に限定され、それ以外の目的のために転用されることがないことをIAEAとして保証するために、当該の核物質および施設の現状に関する報告と宣言の提出が不可欠であるとイラン側に念押ししてきた。


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