2026年5月27日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年5月27日

 「大国が国際秩序の修繕が必要と考えている際、ミドル・パワーの国にできることは限られ、自らの利益を守ることしかできない」、「ミドル・パワーの国々は、米国の単独主義に多国間の装いを提供している」とモハンは痛烈な言葉を浴びせている。

外交をどう考えるか

 この論説の多くの部分は、今回のイランを巡る紛争を引き合いに論じられているが、モハンも触れている通り、東アジアの状況を考えても「ミドル・パワーの連帯」が機能する領域は限られている。「ミドル・パワーと言っても、これらの諸国は、共通の敵、脅威認識、あり得るべき秩序構想を共有しているわけではない」、「ミドル・パワーが役割を果たすのは、覇権国が広範な国際秩序を維持している際にその安定と規範の遵守に貢献するという状況においてである」というモハンの指摘は冷徹な現実を直視している。

 要は、外交をどう考えるかの問題ではないか。国際関係がハードな軍事力によって規定される状況自体が変わるべきだと考えるリベラルな層は、あるべき理想の姿を思い描いて外交を論じている。

 日本が米国依存を脱却して自立的な外交を行うべきと考えるナショナリストは、日本の外交が対米依存であると周囲から見られていることに我慢がならないのかもしれない。一方、外交を、与えられた条件の中で、自らの利益をできる限り確保するものと捉えるならば、理想の姿や他国からの認識に左右されることなく、大国との距離感を含めて自らの立ち位置を決めるべきということとなる。

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