2026年6月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年6月19日

とどまろうとする大統領

 以上、EUとの関係では、マジャールは首尾よく重要な一歩を踏み出したと認められるが、国内ではオルバンが築いた政治の構造の解体に着手しようとしている。マジャールは、大統領、憲法裁判所長官とその他14人の裁判官、最高裁判所長官、会計検査院院長、メディア・通信機構長官など、オルバン時代の主要人物に5月31日までに辞任するよう要求していた。上記の記事は、マジャールが憲法を改正してでも彼等を更迭するつもりであることを報じている。

 大統領のシュヨクは、この記事によれば、大統領にとどまると主張して辞任を拒否している。EUと合意した改革を実行するための法案を妨害しないなどと殊勝なことを述べている。

 しかし、欧州評議会(人権・民主主義・法の支配の基準策定と監視を行う欧州の国際機関)の諮問機関に助言を求めたいとは滑稽である。オルバンの盟友だったのだから、ここは潔く身を引くのが当然であろう。

 憲法を改正するというが、どのような改正となるのかは不明である。マジャールは、彼の政党ティサに相談すると言っている。大統領について言えば、その選出方法(現在は議会が選任する)を直接選挙制に変更することにより、新たな大統領を選任することも一つの可能性のようである。

 いずれにせよ、ポーランドでトゥスク政権が大統領の拒否権の故に改革推進が思うに任せぬ状況にある教訓を踏まえれば、マジャールはオルバン体制を支えた人物の一掃を譲るべきではないと考えられる。

民主主義は人々を幸せにするのか?▶アマゾン楽天ブックスhonto
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る